演題

RS3-133-11-4

閉塞性大腸癌に対するBTS目的に留置した大腸ステント留置症例の手術成績

[演者] 成田 和広:1
[著者] 富澤 悠貴:1, 左近 龍太:1, 井上 貴博:1, 佐藤 俊:1, 小根山 正貴:1, 網木 学:1, 太田 竜:1, 後藤 学:1, 山崎 将人:1
1:川崎幸病院 消化器病センター外科

【はじめに】大腸悪性狭窄に伴う腸閉塞や大腸癌の狭窄解除目的に下部消化管ステント留置術が保険収載され,当院では2013年6月より大腸ステント留置を導入しBridge to surgery(BTS)を行ってきたが,2014年欧州消化器内視鏡学会ガイドラインではBTSは推奨できないとしている.今回BTS症例の治療成績を報告する.【対象と方法】2013年6月より2016年9月までに大腸癌ステント留置術を施行した45症例のうちBTS目的に大腸ステント留置を試みた33症例を対象とし検討した.【結果】男性21例,女性11例.年齢の中央値は68(46-88)歳.大腸狭窄部位は横行結腸5例,下行結腸6例,S状結腸15例,直腸S状部6例であった.全例術前診断は大腸癌であったが1例は術後病理診断で憩室炎であった.大腸ステント留置前のCROSSは0が20例,1が5例,2が7例であり,また大腸ステント留置前に経肛門的イレウス管留置が4例,経鼻イレウス管留置が1例あった.
大腸ステントはすべてNiti-Sであり,2例は2本留置となった.口側の虚血と減圧不良(ステントを再留置)の2例以外摂食でき,摂食開始の中央値は3(1-6)日であった.留置による合併症は4例(12.5%)で穿孔2例,減圧不良1例,再閉塞1例であり,3例(9.4%)は緊急手術となった.BTSとして17例は一時退院し,大腸ステント留置後,中央値14(4-47)日で手術となっていた.手術にて一期的吻合手術は27例(84.3%)で行われ,腹腔鏡手術の18例全例で一期的吻合が行われていた.ほか,開腹で4例でハルトマン手術,1例でストーマ造設術が行われた.腹腔鏡手術で1例,開腹手術で2例の吻合不全を認め人工肛門造設術が行われた.【結語】BTS目的とした大腸ステント留置術は減圧が良好で早期に摂食が開始でき,待機手術として一期的吻合手術が行うことが可能であり,大腸癌イレウスの治療戦略の第一義として有用である.しかし,穿孔例や閉塞例も経験しており,大腸ステントを安全に留置するために手技の習得も重要で,長期予後については症例の蓄積が必要である.
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