演題

RS3-133-11-3

左側閉塞性大腸癌におけるSEMS(self-expandable metallic stent)の有用性

[演者] 前田 哲生:1
[著者] 豊川 晃弘:1, 田村 太一:1, 宗 慎一:1, 若原 智之:1, 金光 聖哲:1, 吉川 卓郎:1, 芦谷 博史:1, 土田 忍:1, 植野 望:1
1:淀川キリスト教病院 外科

【はじめに】
閉塞性大腸癌は比較的緊急性の高い病態であり,手術のタイミングと腫瘍学的根治性とのバランスが重要である.近年,経肛門的イレウス管(transanal drainage tube: TDT)やself-expandable metallic stent(SEMS)による術前減圧後,一期的根治切除を施行した症例が多く報告されている.当院で経験した左側閉塞性大腸癌に対してTDTまたはSEMSによる減圧をはかり,一期的に大腸切除術を施行した症例の手術成績を後ろ向きに検討しSEMSの有用性を検証する.【対象と方法】2012年7月から2016年6月までに当院で経験した左側閉塞性大腸癌(横行結腸脾弯曲部から直腸Raまで)のうち減圧処置後,待機的に根治切除術を施行された32例を検討した.減圧法については両者の間での選択基準は設けておらず,担当医や患者背景,占拠部位により使い分けている.また術式については他臓器浸潤や減圧不十分により視野確保の困難が予想される症例においては開腹術を選択した.
【患者背景・手術成績】年齢は69歳(47-84)歳 ,性別 男/女:26/6人,占拠部位 T/D/S/Rs/Ra:3/8/14/3/4人,Stage Ⅰ/Ⅱ/Ⅲa/Ⅲb/Ⅳ:0/11/16/3/2人.術式は開腹(O)/開腹移行/腹腔鏡(L):11/1/⒛,左結腸切除術/S状結腸切除術/高位前方切除術/低位前方切除術/Hartmann:10/13/4/2/3手術時間340.0(199-443)分,出血量57(0-768)ml,リンパ郭清度個数 21(2-46) ,術後在院日数15(7-106)日,術後合併症 Clavien-Dindo分類Grade Ⅲ以上の合併症はいずれもTDT群で認め,内訳は縫合不全3(11.5%),麻痺性イレウス1(3.8%),誤嚥性肺炎1例(3.8%)であった.
【結果】TDT(T)/SEMS(S):26/6人で,PNI(prognostic nutritional index)はT/S:32.5/37.0(P=0.03)でS群で有意に高かった.減圧開始から手術までの期間はT/S:9(4-25)/36(7-67) 日でS群で有意に長い傾向にあった.術式の選択はT群 O/L:11(42.3%)/15(57.7%),S群O/L:1(16.6%)/5(83.3%)でS群において腹腔鏡下手術実施割合が多い傾向にあったが有意差は認めなかった.術後合併症についてはT群5例(19.2%),S群0例(0%)でT群に多い傾向であった.術後在院日数はT/S:12/9日でS群で短い傾向にあったが有意差は認めなかった. 【結語】左側閉塞性大腸癌に対するSEMS減圧法は栄養状態の改善をはじめ,周術期における患者のQOL改善に寄与すること,また腹腔鏡下手術による一期的根治術施行のための有用な減圧法になり得ることが示唆された.
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