演題

RS3-133-11-2

閉塞性大腸癌に対する大腸ステント留置後の腹腔鏡下大腸切除術の有効性

[演者] 旗手 和彦:1
[著者] 金澤 秀樹:1, 藤野 史織:1, 桑野 紘史:1, 大越 悠史:1, 細田 篤史:1, 坂本 友見子:1, 二渡 信江:1, 石井 健一郎:1, 金田 悟郎:1
1:相模原病院 外科

<はじめに>閉塞性大腸癌に対する大腸ステント(SEMS)は,治療後早期より経口栄養による栄養状態とQOLを改善し,閉塞性大腸癌に対する治療戦略に大きな変化をもたらしたといえる.当科ではSEMS留置後,一期的根治手術として腹腔鏡下大腸切除術(LAC)を47例施行した.<目的>大腸癌イレウス症例に対しSEMS留置術を施行し,Bridge to surgery(BTS)としてのLACの成績につき検討し,有用性を明らかにすることを目的とした.<対象>2012年8月より2016年10月までに閉塞性大腸癌に対してBTS目的にSEMS留置術を施行した46例を対象とした.男女比は29:17,平均年齢は70.8歳(39-81)であった.腫瘍占拠部位は上行結腸6例,横行結腸6例,下行結腸7例,S状結腸25例,直腸S状結腸部(Rs)5例であった.Wall Flex Colonic Stent 19例,Niti-S 29例を使用した.<結果>SEMS留置後の合併症は穿孔1例,便による通過障害2例であった. 46例に対しLACを施行した.全例SEMS留置後経口摂取開始までは2日,SEMS留置から手術施行までの期間は19日(中央値)であった.術式は結腸右半切除術10例,横行結腸部分切除術1例,結腸左半切除術7例,S状結腸切除術18例,前方切除術5例,Hartmann's手術4例,結腸全摘術1例であった.トラカールは通常の手術と同様の配置で,右側結腸,左側結腸ともに5ポートで手術を施行した.術中副損傷は認めず,手術時間(中央値)224分,出血量(中央値)30ml,経口摂取開始日2日(中央値)であった.LACを施行した症例の病期分類は,Stage I 1例,Stage II 16例, StageIIIa14例,StageIIIb3例,Stage IV 12例であった.<考察>大腸ステントは非手術症例に対する姑息的治療や手術までのBTSとして安全に行われるようになったが,穿孔や逸脱などの偶発症を起こす可能性もあり,留置する際に注意が必要である.SEMS留置後のLAC施行例は通常の手術と比較して術中操作性の制限があるが,当科の治療成績を検討すると安全に施行できたと考えられる.<結語>SEMSにより腸管,腸間膜の浮腫や脆弱性がない状態で,腸管の減圧が十分である症例に対しLACは有用である.
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