演題

RS3-132-11-2

当院の閉塞性大腸癌に対する治療

[演者] 宮崎 進:1
[著者] 小森 孝通:1, 団野 克樹:1, 松田 宙:2, 中塚 梨絵:1, 本告 正明:1, 柏崎 正樹:1, 岩瀬 和裕:1, 藤谷 和正:1
1:大阪府立 急性期・総合医療センター, 2:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅰ

(はじめに)閉塞性大腸癌はOncologic Emergencyであり,従来緊急手術の適応とされてきた.閉塞性大腸癌患者は全身状態が不良であることが多く,緊急手術を施行すると術後合併症の発生頻度が高いとされる.近年,緊急手術だけではなく,経鼻・経肛門イレウス管での減圧や,大腸ステントによる減圧を行うことにより腹腔鏡下大腸切除術を行っている報告も散見される.当科では閉塞性大腸癌に対してイレウス管(経鼻/経肛門)を用いて減圧を行い,一期的手術を行っている.当院における治療方法の妥当性を後方視的に検討した.
(方法)2013年1月から2015年12月までの大腸癌手術症例のうち,イレウス管を用いて減圧処置後,一期的に手術した14例(イレウス群)を対象とし,術前の大腸内視鏡検査にて大腸癌病変の狭窄により内視鏡が不通過であった92例(非イレウス群)との治療成績を比較検討した.
(結果)2013年1月から2015年12月までの大腸癌手術症例は524例あり,大腸癌による閉塞で緊急減圧処置や緊急手術が必要であった症例は23例であった.このうち経鼻・経肛門イレウス管にて減圧を施行した症例は17例で,減圧不能症例は3例あり,緊急手術は減圧不能症例も含め,9例に施行されていた.
イレウス群,非イレウス群の2群間に年齢,性別,BMI,腫瘍径,腫瘍の局在,進行度に差は認めなかった.また術中出血量や手術時間においても差を認めなかった.人工肛門はイレウス群で3例(21%),非イレウス群に8例(8.6%)に造設されていた.腹腔鏡下手術の施行率はイレウス群で57.1%,非イレウス群で75.4%であった.術後合併症において発生率は両群間に差はなかった.術後縫合不全は非イレウス群に2例認めたが,イレウス群では認められなかった.術後経過において,術後食事開始病日(イレウス群:6日(中央値),非イレウス群:4日),術後入院期間(イレウス群:19.5日,非イレウス群:11日),全入院期間(イレウス群:35日,非イレウス群:25.5日)は有意に非イレウス群で短かった.
(結論)閉塞性大腸癌症例に対し,経鼻/経肛門イレウス管で減圧処置を行い,減圧後に一期的手術を施行することは入院期間が延長するが,人工肛門造設率や術後合併症率を増加させることなく有用な治療方法であると考えられた.
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