演題

RS1-39-14-4

閉塞性大腸癌に対する大腸ステントおよび経肛門イレウス管の治療成績

[演者] 渡邊 勇人:1
[著者] 土田 知史:1, 長澤 伸介:1, 中園 真聡:1, 加藤 綾:1, 沼田 幸司:1, 佐伯 博行:1, 松川 博史:1, 利野 靖:2, 益田 宗孝:2
1:横浜南共済病院 外科, 2:横浜市立大学医学部 外科治療学

【緒言】大腸ステント(self-expanding metallic stent:SEMS)は本邦で2012年に保険収載されて以降,広く使用されている.当院では閉塞性大腸癌に対する術前減圧目的に2004年に経肛門イレウス管,2014年にSEMSを導入した.
【目的】閉塞性大腸癌に対してSEMSおよび経肛門イレウス管留置による減圧後に原発巣を切除した症例の周術期成績について,retrospectiveに比較検討した.
【対象・方法】経肛門イレウス管(I群) 34例.SEMS(S群) 20例を対象とした.
【結果】S群は,男性11例,女性9例.腫瘍占拠部位はA-Rs.I群は,男性21例,女性13例.腫瘍占拠部位はA-Rbであり,Ra,Rb症例は全例経肛門イレウス管が選択されていた.S群のうち1例が留置後5日目に穿孔を来たし,緊急手術となったが,I群では遅発性合併症は認めなかった.S群では留置後食事摂取が19例(95%)で開始可能であり,CROSS scoreは留置前0,留置後4(2-4)と有意な改善を認め,14例(70%)で一時退院が可能であった.また,ステント留置後に4例で大腸内視鏡検査を行い,口側病変の評価を行っている.I群では,留置後食事摂取は全例で開始はなく,CROSS scoreは留置前0,留置後1(0-2)とわずかな改善に留まり,口側病変の評価は行えていなかった.また,S群では腹腔鏡手術を9例(45%)に施行し,ストマ造設は2例(10%),術後合併症は3例(15%)であり,術後在院日数は8日(6-52)であった.一方,I群では全例開腹手術で,ストマ造設10例(29.4%),術後合併症17例(50%)であり,術後在院日数は15.5日(9-206)であった.
【結語】閉塞性大腸癌に対するSEMSによる術前減圧は経肛門イレウス管と比較して,十分な減圧効果が得られることで,術前に食事摂取が可能となり,術後合併症の減少,術後在院日数の短縮という良好な結果を示した.今後,症例を重ね,適応の拡大や長期成績も含めさらなる検討を加え,報告したい.
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