演題

RS1-38-14-6

経肛門または経鼻イレウス管による減圧後の閉塞性大腸癌に対する待機的腹腔鏡手術

[演者] 賀川 義規:1
[著者] 加藤 健志:1, 内藤 敦:1, 阪本 卓也:1, 村上 剛平:1, 桂 宜輝:1, 大村 仁昭:1, 竹野 淳:1, 武田 裕:1, 田村 茂行:1
1:関西労災病院 外科

【はじめに】自己拡張型金属ステントが保険適応となり,ステント留置し減圧後に腹腔鏡補助下に切除術を施行するbridge to surgeryの報告を散見する.一方,ステント留置による予後の悪化を懸念する報告もあり,当科では2011年よりイレウス管で減圧した後に腹腔鏡下切除術を第一選択としている.イレウス管の挿入が困難な場合のみステント留置または緊急手術を行なっている.
【目的】イレウス管による減圧後の腹腔鏡下切除術の治療成績を検討しすること.
【対象と方法】2007年から2016年9月まで緊急処置を必要とする閉塞性大腸癌117例について,前期群:イレウス管導入以前(2007-2010年)34例とイレウス管導入後(2011-2016年)83例について,待機手術率,腹腔鏡手術率,手術時間,出血量,一期的切除術,合併症率,術後在院日数,死亡率について検討した.統計学的解析には,chi-square test,t testを用いp<0.05を有意とした.
【結果】前期群と後期群では,年齢は72歳(44-89),72歳(30-94),男女比は21:13,52:31,局在(右:左)は10:24,28:55,fStage(II:III:IV)は8:7:19,26:28:29で患者背景に有意差は認めなかった.前期の減圧方法は経鼻8例,経肛門3例,後期群の減圧方法は経鼻14例,経肛門47例,ステント6例であった.1例経肛門イレウス管挿入時に穿孔し緊急手術になっていた.待機手術の割合は前期と後期で14.7%と77.1%(p<0.001),腹腔鏡手術率は5.9%と74.7%(p<0.001),原発切除率は50.0%と88.0%(p<0.001),根治切除率は44.1%と63.9%(p=0.049),人工肛門造設率は67.6%と10.8%(p<0.001)と後期の方が優れた結果であった.術後在院日数は29.5日(7-104)と14日(5-147)(p<0.001)後期群が短く,手術部位感染は35.3%と9.6%(p<0.001)と後期群が低く,縫合不全率は8.8%と6.0%(p=0.586)と同等であった.【まとめ】イレウス管による減圧後に腹腔鏡下切除術を第一選択とする治療戦略は安全に施行されていた.金属ステントが予後に与える影響が明らかでない現時点では,イレウス管による減圧後の腹腔鏡手術を第一選択とした治療方針は閉塞性大腸癌の治療戦略となりうる
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