演題

RS1-38-14-5

StageⅡ,Ⅲ閉塞性大腸癌に対する治療戦略

[演者] 太田 勝也:1
[著者] 池永 雅一:1, 小西 健:2, 上田 正射:1, 津田 雄二郎:1, 中島 慎介:1, 足立 真一:1, 遠藤 俊治:1, 山田 晃正:1
1:市立東大阪医療センター 消化器外科, 2:兵庫県立西宮病院 外科

【はじめに】閉塞性大腸癌に対する手術を前提とした閉塞解除(Bridge to Surgery; 以下BTS)は手術前後の患者のQuality of Lifeを改善する.当科では閉塞性大腸癌に対しBTSとして積極的に大腸ステントを施行してきた.しかし,病理組織学的因子や長期予後について一定の見解は得られていない.【目的】根治切除を目的とし,BTSを試みたStageⅡ,Ⅲ閉塞性大腸癌症例の臨床病理学的因子を検討する.【対象と方法】2012年1月から2016年10月に当科で閉塞解除および根治手術を行ったStageⅡ,Ⅲ閉塞性大腸癌は37例であった.35例は大腸ステントで減圧した上で手術を行い,2例でステント挿入ができず即日緊急手術を行った.今回,これらの症例について臨床成績および摘出標本の病理組織学的特徴を検討した.【結果】年齢70歳(中央値),男性16例,女性21例,主腫瘍占拠部位(A/T/D/S/R)は4/6/5/18/4例と左側結腸に多かった.開腹手術14例,腹腔鏡下手術が23例(開腹移行1例)であった.BTSのすべての症例で一期的吻合が可能であった一方,即日手術症例は2例とも人工肛門造設を行った.ステント挿入後の摘出標本を観察すると,フレアによる潰瘍形成は28.6%(10例)に認められた.ステント挿入前の腫瘍による平均狭窄長は3.1㎝であった一方,ステント挿入後の術後検体は5.3cmと術前狭窄長に比べ有意に拡張していた.リンパ管侵襲(ly0/1/2/3)は0/22/11/4例,静脈侵襲(v0/1/2/3)は2/10/11/4例でリンパ管侵襲陽性が100%,静脈侵襲陽性が94.6%であった.病理組織型は分化型(tub1, tub2)が97.2%と多くを占めていた.壁深達度はSS/SE/SIが28/7/2例であった.リンパ節検索個数は22個(中央値),リンパ節転移陽性例(StageⅢa, StageⅢb)は22例(59.5%),全例が根治度A手術であった.観察期間670日(中央値)での再発症例は14例(37.8%)であった.【結語】当科で経験した閉塞性大腸癌症例は大腸ステント挿入により閉塞解除が得られ,一期的吻合を可能とした.しかし,ステントのフレアによる潰瘍形成を起こし,穿孔のリスクを抱えることが分かった.閉塞性大腸癌はリンパ管侵襲や静脈侵襲によって,再発リスクが高くなる傾向があった.
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