演題

RS1-38-14-3

大腸癌イレウスに対するBridge to surgeryを目的とした大腸ステントの治療成績について

[演者] 大島 健志:1
[著者] 大端 考:1, 間 浩之:1, 永井 恵里奈:1, 京田 有介:1, 佐藤 真輔:1, 渡邉 昌也:1, 金本 秀行:1, 大場 範行:1, 高木 正和:1
1:静岡県立総合病院 外科

【背景・目的】2012年1月より本邦でも,大腸用Self-Expandable Metallic Stent (以下,SEMS)が保険適応となった.当院においてもbridge to surgeryを目的として局所切除可能な大腸癌イレウスの症例にSEMSの使用を経験しており,第68回の本学会で10例の短期成績について報告した.今回,我々は3年以上経過したため中期成績について報告する.
【対象・方法】2012年1月から2013年6月の期間に当院でbridge to surgeryを目的としてSEMSを留置し減圧後に手術を行った10例について検討する.
【結果】平均年齢は68歳で,男性5例,女性5例であった.閉塞部位は横行結腸が2例,下行結腸が5例,S状結腸が2例,直腸Raが1例であった.病期はpStage IIが2例,pStage IIIaが4例,pStage IIIbが2例,pStage IVが2例であった.術後中期の合併症として直腸の1例で双孔式人工肛門閉鎖後に吻合部狭窄を認めた.術後3ヶ月で誤嚥性肺炎で他病死した1例を除き,pStageIIIの5例で術後補助化学療法を行った.平均観察期間は37.7か月であるが,pStage IIの2例では再発を認めず,pStage IIIの6例のうち1例に再発を認めた.再発した1例はS状結腸のpStage IIIaの症例で術後17ヶ月に多発腹膜転移を認めたため,化学療法を導入したが術後30ヶ月で死亡した.Stage IVの2例のうち多発肝転移と多発腹膜転移の1例は化学療法を導入し術後43ヶ月で生存中であり,多発腹膜転移の1例は術後に治療を希望せず,術後7ヶ月で死亡した.
【考察】当院でBridge to surgeryの目的で行ったステント留置は合併症を認めず,術前に良好な減圧を得られ許容できることを以前報告した.今回の中期成績についての検討だが,直腸の症例では吻合部狭窄を発症しており直腸に対するSEMSの適応について注意が必要と思われた.予後についてはpStage IIIaの1例で腹膜再発を認めたが,現時点では許容範囲と思われた.SEMSの予後に関して様々な報告が散見され始めているがまだcontroversialであり,今後も症例の蓄積が必要である.大腸ステント安全手技研究会の前向き観察研究の長期予後の結果が待たれるが,我々も観察期間を延長し長期予後について報告していきたい.
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