演題

RS1-38-14-1

当院における大腸癌イレウスに対する治療戦略

[演者] 荒井 淳一:1
[著者] 福嶋 絢子:1, 田上 幸憲:1, 村上 豪志:1, 稲村 幸雄:1, 黨 和夫:1, 重政 有:1, 石川 啓:1
1:佐世保市総合医療センター 外科

【背景】大腸ステント(self-expanding metallic stent:SEMS)治療が2012年より保険収載され,以降緩和(palliation),また術前腸管減圧(bridge to surgery:BST)に使用可能となった.当院でも2014年10月より導入している.【目的】大腸癌イレウスに対するSEMSの治療成績を明らかにし,その有用性と問題点を明らかにする.【対象】大腸癌イレウスに対しSEMSにて緩和目的に留置を行った6例,BTSを行った16症例と同時期に経肛門イレウス管にてBTSを行った29症例.【結果】<緩和群>男性:3例,女性:3例,平均年齢74.3歳(57-90歳),大腸癌4例(S状結腸癌2例,直腸S状部),胃癌播種2例,留置期間は30日~642日,合併症は認めなかった.<BTS群>男性:10例,女性:6例,平均年齢69.4歳(36-88歳),病変部位は上行結腸:1例,横行結腸:5例,下行結腸:3例,S状結腸:5例,直腸S状部:2例,進行度はI:1例,II:4例,IIIa:6例,IIIb:1例,IV:4例であった.使用したステントは,Wall Flex Colonic Stent:6例,Niti-S Colonic Stent:10例であり,手技的成功率,臨床的成功率ともに100%であった.ステント留置後翌日までに全例排便を認め,手術待機期間は平均21.5日(6-30日)であり,8例(50%)で術前退院が可能であった.13例(81%)に対し腹腔鏡にて手術を予定したが,そのうち4例が腫瘍進展を理由として開腹に移行した.全例一期的手術が可能であった.合併症として,縫合不全2例,創感染2例,乳び腹水1例を認めた(5例:23%)ものの,ステント留置に起因したと考えられるものはなかった.手術入院期間は平均19.3日(13-48日),合計入院期間は30.9日(19-60日)であった.経肛門イレウス管群では,開腹手術症例が多く(23例:79%),合併症として消化管穿孔3例,創感染2例,縫合不全1例(6例:20.7%)を認めた.平均入院期間は31日(15-60日)であり,SEMS群と同程度であった.【結語】閉塞性大腸癌に対するSEMSによるBTSは,安全に施行でき有用であると考えられた.また,緩和目的の使用にもSEMSは選択肢の一つとして考えられた.
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