演題

RS1-37-14-4

当院における大腸癌イレウスに対する術前ステント留置例の現状と手術成績

[演者] 西村 真樹:1
[著者] 海保 隆:1, 柳澤 真司:1, 片岡 雅章:1, 小林 壮一:1, 岡庭 輝:1, 須田 竜一郎:1, 代市 拓也:1, 藤本 竜也:2
1:国保直営総合病院君津中央病院 外科, 2:国保直営総合病院君津中央病院 消化器科

大腸用の消化管メタリックステント(Self-Expandable Metallic Stent: SEMS)は本邦で2012年3月から保険適応となり,現在大腸癌イレウス治療の選択肢の一つとして広く施行されるようになった.その目的として症状緩和のみを狙った姑息的SEMS留置と手術を前提としたSEMS留置(Bridge-To-Surgery: BTS)があるが,当科では消化器内科からのBTS症例に積極的に手術を施行してきた.
今回,2012年3月から2016年11月までに当科で手術を施行した大腸癌イレウスのBTS症例116例(119部位)の検討を行った.【対象】年齢は43歳~90歳(中央値74歳),男79例,女性37例であった.閉塞機転は右側結腸が42例,左側結腸が77例であった.【結果】手技的成功は119部位中115部位(96.6%)であったが不成功例は4部位であり,ワイヤー穿孔と留置困難が原因であった.SENS留置の成功率は右側結腸,左側結腸ともに同等であった.SEMS留置により経口摂取不能であった67例中の64例(95.2%)が経口摂取可能となり,そのうちの8割の症例が無症状で食事摂取可能となった.SEMS留置から手術までの日数は中央値で21日であった.また6割の症例で一時退院を行っていた.SEMS留置後の愁訴は9.7%でいずれも軽度であった.閉塞の口側腸管の検索は7割の症例に施行可能であった.術式として1期的に切除吻合し得た症例は97%であった.術後合併症は21.8%に認めたが,死亡例はいなかった.
【結語】大腸癌イレウスに対するSEMS留置は安全に施行可能であり,減圧治療に加えて手術待機中患者のQOLの改善と維持が可能な点において優れた治療法であると言える.しかし,SEMS留置による予後への影響に関する検討にはまだ時間と症例の蓄積が必要である.
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