演題

RS1-29-12-5

当科で経験した高齢者大腸癌の傾向と治療成績

[演者] 名西 健二:1
[著者] 有田 智洋:1, 中西 正芳:1, 栗生 冝明:1, 村山 康利:1, 生駒 久視:1, 市川 大輔:1, 藤原 斉:1, 岡本 和真:1, 大辻 英吾:1
1:京都府立医科大学附属病院 消化器外科

【緒言】平均寿命の延長に伴い高齢の担癌患者が増加し,高齢者に対して若年者と同じ癌治療が選択されるべきなのか議論されることが多い.当科における大腸癌患者について,高齢者と若年者の手術成績を比較検討した.
【方法】2007年1月から2015年12月までに当科で大腸癌に対して手術を施行した1130例を若年者(~79歳,以下Y群)と高齢者(80歳~,以下E群)の2群にわけて背景因子,短期成績,長期成績について比較した.
【結果】1)Y群は963例,E 群は147例であった.2)背景因子を比較すると,E群はY群に比し,有意に女性が多く(p<0.01),同時性他癌の合併例が多かった(p<0.01).また,E群では代謝免疫系疾患の併存例は少ない(p<0.05)一方で心血管系疾患の併存例が多く(p<0.01),ASAも高値であった(p<0.05).3)腫瘍因子については,E群ではY群に比べて有意に右側結腸癌が多く(p<0.01),腫瘍型の大きなT4癌の占める割合が高かった(p<0.01).リンパ節転移,遠隔転移については有意差を認めなかった.4)腹腔鏡手術率,原発巣切除率は両群に有意差を認めなかったが,E群でD1,D2郭清が選択され(p<0.01),リンパ節検索個数も少なかった(p<0.01).一方でE群に対する手術時間は短く(p<0.01),出血量も少ない傾向にあった(p=0.08).5) CD分類II以上の周術期合併症の出現頻度には有意差を認めなかった.5年無再発生存率はE群で不良であった(Y群75.1% vs E群60.5% p<0.05).
【結語】若年者と比較すると高齢者大腸癌は進行癌が多く,全身状態は不良であるが,手術は比較的安全に施行できていると考えられた.進行癌が多いためRFSは不良であるが,特に郭清に関する縮小手術の功罪については検討の余地がある.
詳細検索