演題

RS1-27-12-4

高齢者・超高齢者の大腸癌治療の現状とその対応

[演者] 高柳 大輔:1
[著者] 遠藤 俊吾:1, 五十畑 則之:1, 隈元 謙介:1, 冨樫 一智:1, 松井田 元:2, 根本 鉄太郎:2, 押部 郁朗:2, 添田 暢俊:2, 齋藤 拓郎:2
1:福島県立医科大学会津医療センター 小腸・大腸・肛門科, 2:福島県立医科大学会津医療センター 外科

【目的】当院の医療圏の65歳以上の高齢人口比率は32.0%と全国平均の26.8%と比べて高いことが特徴である.大腸癌の診断から治療までを行っている当科の成績から,高齢者に対する治療について検討した.【方法】2012年4月~2016年11月までに大腸癌と診断した420例を対象とした.75歳以上85歳未満を高齢者,85歳以上を超高齢者として,検診受診率,併存疾患の目安として抗血栓薬の内服,切除率,鏡視下手術率,術後合併症,術後在院日数,退院先,退院後30日以内の再入院,術前/術後の就業状況について検討した.なお,75歳未満を対照とした.また,当院では術前に患者の家庭状況を把握し,必要に応じて,看護師と社会福祉士で構成する院内の「患者支援センター」の介入を行っている.【成績】症例の内訳は対照56.7%,高齢者32.1%,超高齢者11.2%であった.検診受診率は対照,高齢者,超高齢者は56.3%,30.4%,21.2%と高齢になるほど低率であった.抗血栓薬の内服率は高齢者・超高齢者で高率であった.切除率は対照,高齢者,超高齢者は91.6%,87.4%,83.0%と高齢になるほど低かった.鏡視下手術率,術後合併症の頻度に差はなく,術後在院日数は高齢者,超高齢者はそれぞれ15.2日,13.8日で対照と差はなかった.予定外の退院30日以内の再入院率は対照,高齢者,超高齢者で2.1%,6.7%,4.3%であり,高齢者で高かった.退院先が自宅以外の比率は高齢者・超高齢者で高率で,超高齢者は緩和病棟への転棟や他施設へ転院の割合が高いため,再入院率が低くなったと考えられた.術前の就業率は超高齢者でも農業に従事している例もあるが,高齢になるにしたがい低率であり,術後に同じ仕事に復帰できた割合は高齢になるほど低く,超高齢者では復帰できた例はなかった.【結語】高齢になるにつれ検診受診率が低く,抗血栓薬の内服率と非切除率が高いが,手術例の鏡視下手術率,術後合併症の頻度に差はなかった.院内の「患者支援センター」を活用することで,高齢者・超高齢者の術後在院日数の延長はなく,超高齢者の術後30日以内の再入院は低率であった.高齢者・超高齢者のがん治療においては術前から退院先や介護などへの介入を行い,地域の医療資源を活用することが必要と考える.
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