演題

cStage II/III食道扁平上皮癌における DCF NACの予後的メリット

[演者] 山下 継史:1
[著者] 原田 宏輝:1, 細田 桂:1, 森谷 宏光:1, 三重野 浩朗:1, 江間 玲:1, 鷲尾 真理愛:1, 渡邊 昌彦:1
1:北里大学医学部 外科

背景 術前化学療法は食道扁平上皮癌の治療として普及してきたが,長期予後における特徴的なメリットは明らかでない.今回,食道扁平上皮癌の術前化学療法症例の最新の予後解析を行った.
患者と方法 根治切除を目指した115例の cStage II/III食道扁平上皮癌患者に術前化学療法を施行した.2007年から2013年の間にCDDP/5-FU (CF) NACが41例,Docetaxel/CDDP/5-FU NACが74例含まれた.患者希望が強い場合,根治的化学療法も手術の代替療法として許容した.観察期間中央値は40月.
結果(1)CF NAC症例では食道切除術が最終的には35例に行われ,DCF NACでは74例中48例に食道切除術がおこなわれた.食道温存率は DCF NACは CF NACに比較して有意に高かった (p=0.018).(2)DCF NACの全生存率 (OS)はCF NACより良好な傾向があり (p=0.071) ,DCF NACの腫瘍無進展生存率 (PFS)は CF NACより有意に良好であった (p=0.006).DCF NAC の OS は 76.7%と良好であった.DCF NACの PFSは58.3%であり,CF NACの PFSは 30.5%であった.進展形式別で比較すると DCF NACは術前のT4進展が少ないこと (p=0.018)と術後リンパ節転移再発が少ないこと (p=0.014)において有意差を求めた.(3)進展イベント有症例の予後は,DCF NAC, CF NACに差を認めなかった.
結語 cStage II/III食道扁平上皮癌における DCF NACは良好な術前制御と術後のリンパ節転移再発を抑制することで良好な予後を得られる可能性がある.

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