演題

RS1-27-12-1

高齢大腸癌患者に対する高齢者機能評価の有用性

[演者] 田村 耕一:1
[著者] 堀田 司:1, 横山 省三:1, 松田 健司:1, 渡邉 高士:1, 三谷 泰之:1, 家田 淳司:1, 岩本 博光:1, 山上 裕機:1
1:和歌山県立医科大学附属病院 消化器外科・内分泌・小児外科

【はじめに】高齢者人口の増加とともに,高齢大腸癌患者に治療を行う機会は急速に増加している.今回,標準治療を受けることができる高齢者集団か治療方針の変更や何らかの介入を要するいわゆるvulnerableな高齢者集団かを選択する一助として高齢者機能評価(Geriatric Assessment) の有用性を検討した.【対象と方法】 2012年10月から2013年3月までに手術を施行した76歳以上の大腸癌患者24例を対象とした.高齢者機能評価ツールとして,Vulnerable Elders Survey-13 (VES-13),instrumental ADL (iADL),Mini-Mental State Examination (MMSE),Geriatric Depression Scale (GDS)を用い,術後入院日数,合併症の有無,術後生存期間との関連について検討した.【結果】術後入院日数の中央値は7.5 (7-48) 日であった.術後合併症を認めたのは6例(内訳は縫合不全,肺炎,脱水,創部感染,急性心筋梗塞,腸管虚血がそれぞれ1例ずつ)であった.術後生存期間の中央値は41 (3-51) カ月であった.VES-13が 3点以上,iADLが6点以下,MMSE が21点以下の群では,術後入院日数延長 (p=1.00, p=0.49, p=0.29),合併症発生率増加 (p=0.63, p=0.81, p=0.27)に有意な関連は認めなかった.GDS が5点以上の群では,術後入院期間が有意に長く(p=0.01),合併症発生率が有意に高かった(p=0.01).また,いずれの評価ツールでも術後生存期間には有意差を認めなかった.【考察】高齢者で神経・精神的問題を有する患者群では術後合併症を発症する可能性が高く,術後入院日数も長くなる傾向を認めた.身体的,精神的,社会的な評価を網羅するには複数の評価ツールを併用する必要があるが,煩雑で時間を要することとなる.Vulnerableな高齢者集団を選定する簡便かつ的確な評価ツールとその集団への介入の検討に対する取り組みが急務である.
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