演題

RS3-157-15-5

StageⅣ大腸癌の予後因子と治療法

[演者] 佐伯 博行:1
[著者] 渡邊 勇人:1, 中園 真聡:1, 加藤 綾:1, 長澤 伸介:1, 沼田 幸司:1, 土田 知史:1, 松川 博史:1
1:横浜南共済病院 外科

(はじめに)
StageⅣ大腸癌ではR0切除が最も有効な治療とされている.しかし近年,化学療法により進行再発大腸癌の予後は改善されつつあり,非切除例でも5年以上長期生存する症例もまれではない.StageⅣ大腸癌の予後因子と治療法について検討した.
(対象と方法)
1999年から2003年までに当科で治療を行ったStageⅣ大腸癌患者225例を対象とした.年齢,性,原発部位,他臓器浸潤,リンパ節転移,脈管侵襲,遠隔転移部位,治療法などについて予後を後視法的に比較した.
(結果)
患者背景:平均年齢69.5才(37-92),男女比128:97.右結腸64例:左結腸72例:直腸75例.高度狭窄(75例),穿孔/穿通(13例)を伴う症例が多かった.組織型は低分化が多く(高分化16例:中分化198例:低分化40例),深達度はSE(80例),SI/AI(17例)が多かった.遠隔転移部位は肝137例,腹膜転移96例,肺転移42例であった.
臨床病理学的因子と予後:年齢(75歳以上:MST14.0ヶ月,75歳未満:MST18.5ヶ月,p=0.02),分化度(低分化9.3ヶ月,高中分化18.0ヶ月,p=0.10),他臓器浸潤(あり10.0ヶ月,なし18.4ヶ月,p=0.0005),リンパ管侵襲(ly2/3 17.5ヶ月,ly0/1 25.3ヶ月,p=0.04),腹膜転移(あり13.8ヶ月,なし19.7ヶ月,p=0.008),転移臓器数(2個以上13.0ヶ月,1個18.0ヶ月,p=0.0018)が予後不良因子であった.
治療法と予後:根治的切除を行った症例のMSTは42か月,5年生存率30%(根治切除なしなしMST14.0ヶ月,p<0.0001)であった.根治切除を行わなかった症例のうち化学療法を行った症例のMSTは20.9ヶ月,5年生存率11%であった(化学療法なしMST7.0ヶ月,p<0.0001).化学療法を行った症例のうち分子標的薬を使用した症例のMSTは26.7ヶ月,5年生存率19%,使用レジメン数3以上の症例のMSTは28.3ヶ月,5年生存率18%であった.
(結語)
根治術を行えた症例の予後が良好であった.化学療法を行った症例の中では分子標的剤を使用した症例,3レジメン以上行えた症例の予後が良好であった.
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