演題

RS3-157-15-3

Stage IV大腸癌におけるsurrogate markerとしての腫瘍局在の意義

[演者] 虫明 寛行:1
[著者] 大田 貢由:1, 中川 和也:1, 諏訪 宏和:1, 菅野 伸洋:1, 湯川 寛夫:1, 利野 靖:3, 遠藤 格:2, 益田 宗孝:3, 國崎 主税:1
1:横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター, 2:横浜市立大学医学部 消化器・腫瘍外科学, 3:横浜市立大学医学部 外科治療学

【はじめに】これまでにも右側大腸癌は左側と比較して予後が不良との報告が散見されたが,最近では大規模第III相臨床試験の解析から同様の報告がなされ,発生学的および分子生物学的にも腫瘍の局在がsurrogate markerとなりうる可能性が示唆されている.
【目的】Stage IV大腸癌を右側と左側で比較検討し,surrogate markerとしての腫瘍局在の意義を明らかにすること.
【対象と方法】2012年から2016年までに当施設で化学療法を施行した222例の切除不能進行再発Stage IV大腸癌を対象に,右側と左側大腸癌の臨床病理学的特徴および治療成績を後ろ向きに検討した.
【結果】腫瘍の主占居部位は右側49例 (22%) (虫垂 4, 盲腸16, 上行結腸45, 横行結腸35%),左側173例 (78%) (下行結腸4,S状結腸36,直腸60%)であった.右側vs. 左側大腸癌の,年齢中央値 67 (32-85) vs. 68 (33-87) (p=0.855),男女比 49: 51% vs. 69: 31% (p=0.008),環周率 100 (20-100) vs. 85 (17-100) % (p=0.064),分化型: 低分化型 84: 12% vs 86: 11 % (P=0.784),同時性遠隔転移Stage IV 76 vs. 57% (p=0.021),RAS変異型 51 vs. 41% (p=0.276),原発巣切除 76: 73% (P=0.768),遠隔転移が肝限局 22 vs. 22%,肝+肝外転移 29 vs. 28%,肝外転移のみ 49 vs. 50% (p=0.943)であった.一次治療のOxaliplatin: Irinotecan 86: 6 vs. 78: 11% (p=0.525),一次治療に抗VEGF抗体 71 vs. 63%,KRAS野生型のうち一次治療に抗EGFR抗体 17 vs. 29% (p=0.205)と,一次治療にはOxaliplatinベースのレジメン+抗VEGF抗体が多く用いられていた.右側 vs. 左側の治療の移行度は一次治療まで: 二次: 三次: 四次: 五次以上,それぞれ 31: 35: 16: 16: 2 vs. 48: 23: 14: 9: 6% (p=0.066)であった.観察期間中央値は19.5 (1-103) カ月で,無増悪生存期間 (PFS) 中央値は右側 9.3カ月 vs 左側 11.9カ月 (p=0.507).RAS野生型では右側 9.3カ月 vs 左側 12.6カ月 (p=0.507),RAS変異型では右側 7.4カ月 vs 左側 11.9カ月 (p=0.494)であった.予後不良因子として,単変量解析にて腫瘍の局在,RAS statusは抽出されず,多変量解析にて非肝限局転移 (HR 1.74, p=0.044),低分化型 (HR 1.69, p=0.045) ,原発巣非切除 (HR 3.98, p=0.000)が抽出された.
【結語】Stage IV大腸癌では,非肝限局転移,低分化型,原発巣非切除が独立した予後規定因子であり,腫瘍局在は予後規定因子ではない.
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