演題

RS3-157-15-1

StageIV大腸癌の治療戦略 -RECIST CR症例の検討によるレジメン選択-

[演者] 斎藤 健一郎:1
[著者] 俵 広樹:1, 杉田 浩章:1, 奥出 輝夫:1, 島田 雅也:1, 寺田 卓郎:1, 天谷 奨:1, 高嶋 吉浩:1, 宗本 義則:1, 三井 毅:1
1:福井県済生会病院 外科

【緒言】2014年版の大腸癌治療ガイドラインでは,強力な治療が適応となる患者と強力な治療が適応とならない患者に分けて治療方針を選択するのが望ましいと記載されており,さらに強力な治療が適応とならない患者とは,患者因子と腫瘍の状態との両面から定義されるとしている.腫瘍の状態としては,切除不能な多臓器(または多発)転移があり将来的にも切除可能となる見込みが乏しい,無症状かつ緩徐な腫瘍進行と判断される患者としており,このような患者では1次治療でのオキサリプラチンの使用は推奨されていない.今回われわれは当院で経験したCR症例を検討し,腫瘍の状態として強力な治療が適応にならない患者でも強力な治療を考慮する必要性について報告する.【対象】2012年1月から2015年12月の4年間に当院にて1次治療の化学療法を施行された切除不能StageIV大腸癌症例143例のうちRECISTでCR判定が得られた9例.【結果】年齢は49-70歳,男性6例,女性3例で,M1aが5例,M1bが4例,RASはwild3例,mutant6例であった.1次治療開始前のCEA値は1.0-17.2ng/ml,腫瘍最大径は5-25mmで転移個数は1-18個であった.レジメンはXELOX+bevacizumab5例,FOLFOX+bevacizumab3例,FOLFOX1例で,CR確定に至るまでの日数は169-1063日であった.現在の治療状況は1次治療継続中が4例で,中止は5例であり,中止5例のうち1例はPD中止,他4例はCRの持続で中止しており,そのうち1例のみ再発があり化学療法を再開した.【考察】われわれが経験したRECIST CR9例は全例生存中であり,うち5例はCRを維持している.9例とも腫瘍の状態として強力な治療が適応とならない患者ではあったものの,オキサリプラチン併用レジメンによりCRが得られ,CRを維持している5例では治癒の可能性も考えられる.分子標的治療薬としてはbevacizumab併用例が8例であり,morphologic responseがCRの維持に寄与している可能性が示唆される.【結語】StageIV大腸癌の治療戦略として,腫瘍の状態として強力な治療が適応にならない患者については,CRが得られる可能性があるのであれば強力な治療を考慮すべきであると考える.
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