演題

RS3-156-15-4

当科におけるStageⅣ大腸癌に対する治療戦略

[演者] 森山 仁:1
[著者] 黒柳 洋弥:1, 的場 周一郎:1, 戸田 重夫:1, 花岡 裕:1, 富沢 賢治:1
1:虎の門病院 消化器外科

当科では,StageⅣ大腸癌であっても,局所高度進行でなければ,まず腹腔鏡下にD2・D3郭清を伴う原発巣切除を行う方針としている.その上で術後早期回復を目指すと伴に,遠隔転移巣切除可能なら,腹腔内検索や原発巣病理所見の結果を考慮し,2期的切除に行くかNACを行うかを決定している.StageⅣであっても集学的治療によりR0に出来れば,根治を目指せる一方,再発も多く,依然治癒は困難でもある.そこで今回我々は大腸癌StageⅣ症例に対し,根治度Bを得られた症例を検討することで,当院における治療戦略決定の一助としたいと考えた.2011.1月~2016.5月までに当院で,StageⅣ大腸癌症例に対し,根治度B切除が出来た症例96例を対象に,現時点で再発が確認された症例(再発あり)57例と無再発症例(再発なし)39例とを比較し,再発危険因子につき検討を行った.まず年齢・性別・術前CEA値・原発巣部位・T分類・N分類・M分類・腫瘍径・肉眼型・組織型・リンパ管侵襲・静脈侵襲・検索リンパ節数・遠隔転移部位・同時切除/異時切除・術後補助化学療法などにつき,単変量解析を行った結果,原発巣部位(S/C)(P=0.041 )・N分類(pN2b)(P=0.032)・異時切除(P=0.049)が有意差(P<0.05)を持って残った.さらに,これらの因子で多変量解析を行うと,pN2bが有意な再発危険因子であることが示された(P=0.041,OR5.2 ).また,N分類毎のOSを検討してみても,明らかにpN2bで不良であった(3YOS 46%).今回の検討結果から,特にpN2b症例の予後は不良であるため,StageⅣ症例であっても,通常郭清に準じた原発巣切除を先行することは,リンパ節転移個数を含めた病理結果を評価・考慮した上での,集学的治療を行う治療方針決定に有用であると考えられた.
詳細検索