演題

RS3-156-15-3

当院における手術を施行したStageⅣ大腸癌症例の検討

[演者] 廣瀬 裕一:1,2
[著者] 岩本 一亜:1, 佐伯 泰愼:1, 田中 正文:1, 福永 光子:1, 野口 忠昭:1, 桑原 大作:1, 上野 秀樹:2, 山田 一隆:1, 高野 正博:1
1:高野病院 消化器外科, 2:防衛医科大学校医学部 外科学

【目的】StageⅣ大腸癌の治療成績を検討し,治療方針の決定の指標となる予後規定因子を明らかにする.【対象・方法】2005年1月から2014年12月の間に当院にて手術加療した大腸癌StageⅣ159例を対象とした.なお当院では2005年より化学療法にoxaliplatinの使用を開始し,本検討では113例(71.0%)がL-OHPを含むレジメンで治療されていた.また化学療法を施行しなかったものは26例(16.4%)であった.大腸癌取り扱い規約に規定されるM1a,M1b症例の予後の比較を行い,M1aでは臓器別の予後についても検討した.【結果】StageⅣ大腸癌症例全体の平均年齢は66.1歳(31-92),男性/女性が101/58例,腫瘍占拠部位は結腸が58例,直腸が101例,観察期間中央値(MST)は26.9ヵ月であった.また遠隔転移はM1a 109例(68.6%),M1b 50例(31.4%)であった.それぞれ3および5年生存率はM1a 49.8%,35.1%,M1b 20.4%,10.9%であり,M1aはM1bに比べ有意に予後良好であった(p<0.001).根治度はM1aでCurBおよびCurCは48,61例,M1bでCurB,CurCは5,45例であった.それぞれの3および5年生存率はM1aCurBで79.3%,59.8%,M1aCurCで27.1%,16.2%,M1bCurBで100%,66.7%,M1bCurCで11.7%,5.9%であり,CurBではM1aのみならずM1bでも有意に予後良好であった(M1a:p<0.001,M1b:p=0.003).転移臓器別ではM1a 109例を対象とし,その内訳は肝転移(H)55例,領域外リンパ節転移(LYM)24例,腹膜転移(P) 18例,肺転移(PUL)10例,その他(骨転移,副腎転移) 2例であった.3および5年生存率は根治度で検討し,(H)CurB 87.2%, 65.6%,(H)CurC 22.7%, 5.7%,(LYM)CurB 50.5%, 25.3%,(LYM)CurC 15.4%, 15.4%,(P)CurB 85.7%, 71.4%,(P)CurC 16.7%, 16.7%,(PUL)CurB 100%, 100%,(PUL)CurC 75.0%, 60.0%であった.PUL以外の臓器ではCurBのほうがCurCより有意に予後良好であった(H:p<0.001,LYM:p=0.003,P:p=0.026).また転移臓器間の検討では(H)CurB, (LYM)CurBおよび(P)CurBの3群間と(H)CurC,(LYM)CurCおよび(P)CurCの3群間で生存率を比較したが有意差は認めなかった.【まとめ】本検討から手術治療したStageⅣ大腸癌ではM1aとM1bに関わらずCurBは有意に予後が良好であった.同様にM1a症例では転移臓器に関わらずCurBは予後良好であり,転移臓器間の予後に有意差は認めなかった.【結語】StageⅣ大腸癌においては転移臓器に関わらず転移巣を積極的に切除する治療戦略が肝要であると考えられた.
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