演題

RS3-156-15-2

原発巣切除したStageⅣ大腸癌の治療成績

[演者] 平田 真章:1
[著者] 多田 正晴:1, 北條 雄大:1, 藤田 悠介:1, 川崎 有亮:1, 吉川 潤一:1, 宇宿 真一郎:1, 白潟 義晴:1, 田村 淳:1, 牧 淳彦:1
1:兵庫県立尼崎総合医療センター 外科

【緒言】
StageⅣ大腸癌は,切除可能であれば転移巣の切除が治療の原則である.しかし,根治切除困難例も多く,根治切除例においても術後補助化学療法の有無,再発時の切除時期や化学療法施行に関して様々な場合が存在し,個々の症例に応じて治療方針を決定しているのが現状である.
【目的】
当院のStageⅣ大腸癌の治療成績を根治切除の有無を焦点に当てて,後ろ向きに検討する.
【対象と方法】
当院で2007年から2015年に原発巣切除が行われたStageⅣ大腸癌146例(結腸癌93例,直腸癌53例,男:女=99:47,年齢中央値69歳(22-89))を対象とし,複数回切除も含め肉眼的根治切除(R0,R1)を一度でも達成できた群(A群50例)と非根治切除(R2)群(B群96例)を比較検討した.手術非施行例や姑息的手術(人工肛門造設,バイパス術)のみの症例は除外した.
【結果】
StageⅣ因子は,肝転移108例(74%),肺転移34例(23%),播種24例(16%),遠隔リンパ節転移9例(6.2%),骨転移4例(2.7%),その他4例(2.7%)で,29例(19.9%)に2個以上の因子を認めた.
対象全体の3年,5年全生存率(OS)は69%,61%であった.
A群の5年OSは83%で,B群の42%より良好であった(p<0.01).
A群のうち,肝転移巣切除例(36例)の5年OSは87%で,22例が再発し10例に再切除,肺転移巣切除例(5例)の5年OSは100%で,3例が再発し1例に再切除,播種切除例(8例)の5年OSは43%で,5例が再発し1例に再切除を施行した.再切除例の5年OSは88%でB群より良好であった(p<0.01).また,術後補助化学療法施行(25例に施行)の有無による予後の差は認めなかった(p=0.76).
B群のうち,化学療法施行群(65例)の生存期間中央値は3年2ヶ月であり,化学療法非施行群(31例)は1年6ヶ月であった.化学療法施行群の中で分子標的薬使用群(47例)の3年OSは59%で非使用群(47%)より良好であった(p=0.02).
FOLFOX/FOLFIRI使用の有無による予後の差は認めなかった(p=0.29).
【結語】
原発巣切除したStageⅣ大腸癌のうち,複数回切除も含め肉眼的根治切除を達成できた症例の予後は良好であり積極的な切除が望まれる.非根治切除群では分子標的薬の使用が予後延長につながりうる.
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