演題

RS3-156-15-1

切除不能な有症状のStageⅣ大腸癌における外科的治療戦略の検討

[演者] 西原 悠樹:1
[著者] 稲田 健太郎:1, 日吉 雅也:1, 那須 啓一:1, 高濱 佑己子:1, 脊山 泰治:1, 和田 郁雄:1, 真栄城 剛:1, 宮本 幸雄:1, 梅北 信孝:1
1:東京都立墨東病院 外科(総合)

【背景】StageⅣ大腸癌では早期の全身化学療法の導入が望まれるが,狭窄など有症状のものは原発巣に対する手術が必要な場合がある.手術に際しては原発巣の切除吻合,Hartmann手術,緩和的ストマ造設などあり,今後の化学療法導入を見据えた上で治療戦略が決定されるべきであるが,いまだ定型化はされていない.
【目的】切除不能な有症状のStageⅣ大腸癌の手術において,原発巣の切除吻合群,Hartmann手術群,ストマ単独群,それぞれにおいて当院における合併症,化学療法導入までの期間などを明らかにし,治療戦略について検討する.
【方法】当院における2012年1月~2016年8月の切除不能な有症状のStageⅣ大腸癌患者の中から,切除吻合群36例,Hartmann手術群12例,ストマ単独群12例の計3群・50例を抽出した.それぞれの症状,原発巣の部位,手術に伴う合併症,化学療法導入までの期間について検討した.
【結果】症状では3群すべてで狭窄症状が最も多かった(切除吻合群:30/36例,Hartmann手術群:10/12例,ストマ単独群:9/12例).原発巣の部位別にみると,切除吻合群では右側結腸(盲腸~横行結腸):13例,左側結腸(下行結腸~直腸):23例であったが,Hartmann手術群,ストマ単独群では全12例すべて左側結腸であった.手術に伴う合併症について,切除吻合群は周術期に縫合不全などの合併症が7/36例に見られ,うち右側結腸:2例,左側結腸:5例であった.ストマ単独群では長期合併症として消化管穿孔が2/12例みられ,2例ともベバシズマブの投与があった.Hartmann手術群では重大な合併症は無かった.化学療法の開始時期では30日以内に導入できたのは切除吻合群:7/36例(19%),Hartmann手術群:5/12例(42%),ストマ単独群:9/12例(75%)とストマ単独群で高い割合であった.
【考察】切除吻合においては縫合不全などの合併症は特に左側結腸で高く,Hartmann手術を含めたストマ造設を含めた術式が考慮されるべきである.30日以内に化学療法が導入できている例がストマ単独群では多く,早期の化学療法導入に有用であると思われたが,一方で長期合併症として消化管穿孔があり,特にベバシズマブの使用患者では注意を要する.
【結語】有症状のStageⅣ大腸癌における手術は,切除吻合のみでなく原発巣の部位に応じてHartmann手術やストマ造設等,適切に術式を選択し早期の化学療法導入につなげる必要がある.
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