演題

RS3-155-15-6

大腸癌肝転移に対する再肝切除におけるdifficulty score

[演者] 川口 千尋:1
[著者] 野見 武男:1, 石岡 興平:1, 吉川 高宏:1, 安田 里司:1, 北東 大督:1, 赤堀 宇広:1, 山田 高嗣:1, 金廣 裕道:1, 庄 雅之:1
1:奈良県立医科大学附属病院 消化器・小児外科・乳腺外科

背景】大腸癌肝転移(CRLM)に対する再肝切除術は,予後改善に寄与することから広くおこなわれている.一方,高度な癒着が,手術時間の延長,出血量の増加,術後合併症の増加につながる場合もある.これまで再肝切除の難度に関する報告はない.【目的】CRLMに対する再肝切除のdifficulty scoreを作成する.【対象と方法】対象は2008年1月から2016年5月までの期間に施行された, CRLMに対する再肝切除症例.再肝切除のdifficultyは,出血量 (800ml以上),手術時間 (420分以上),離断までの時間 (180分以上),の3つの要素にて評価した.これらに影響を及ぼすリスク因子を抽出し,リスク因子の保有状況と術後合併症・在院期間,短期予後との関連を検討した.【結果】再肝切除は44例に施行.出血量は511ml(30-9044),手術時間,離断までの時間(癒着剥離時間)はそれぞれ292分(74-936),154分(25-327)であった.単変量解析にて同定された有意なリスク因子は,出血量:BMI 24以上(p =0.007),手術時間:腫瘍個数3個以上(p =0.043),離断までの時間::腫瘍個数3個以上(p =0.003),腫瘍局在S1,6,7(p =0.022),前回術式(非系統切除,p =0.030),前回術後膿瘍(p =0.009),であった.また,それぞれの要素において,p <0.1 を満たす因子を共変量として多変量解析を行った結果,独立危険因子は,出血量:BMI 24以上(p =0.006,OR: 7.626,CI: 1.782 - 32.640),手術時間:腫瘍個数3個以上(p =0.037,OR: 5.879,CI: 1.111 -31.099),離断までの時間:腫瘍個数3個以上(p =0.036,OR: 8.798,CI: 1.149 -67.363)と同定された.これらの独立危険因子2個をすべて有する症例は6例で,リスク2個未満の症例と比較してCD3以上の合併症発生率が高く(p =0.018),術後在院期間も有意に延長していた(10日vs. 21.5日,p =0.006).また6例全例において再々発を認め,無再発期間の中央値は6か月であり,リスク2個未満の症例と比較して有意に短かった(6m vs. 10m, p =0.038).【結語】CRLMに対する再肝切除において,BMI 24以上,腫瘍個数3個以上,の2つのリスク因子を持つ症例では,手術が困難で合併症発生も高率であり,短期予後も不良であった.このような症例では手術適応を慎重に決定する必要があると考えられた.
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