演題

RS3-155-15-4

当院における大腸癌肝転移後の補助化学療法の実態と成績

[演者] 八木 亮磨:1
[著者] 瀧井 康公:1, 勝見 ちひろ:1, 野上 仁:1, 丸山 聡:1, 番場 竹生:1, 會澤 雅樹:1, 松木 淳:1, 野村 達也:1, 中川 悟:1
1:新潟県立がんセンター新潟病院 外科

【背景】肝転移根治切除後の補助化学療法の有効性は確立されていない.当院においては,過去に肝切除後のWHF,5FU経口剤,5FU/LV等を補助化学療法として使用しており,現在は標準治療である経過観察とFOLFOXを提示し,患者選択で補助化学療法を行っている.また,切除困難・不能症例に対しては分子標的薬を含む化学療法を行い,切除可能となった場合は積極的に肝切除を行っている.【目的】大腸癌肝転移R0切除後の補助化学療法の実態と成績を明らかにするため,後方視的に検討を行った.【対象・方法】2000年1月から2015年12月までの大腸癌肝転移切除例259例のうち,初回肝切除でR0となった症例176例を対象とした.臨床病理学的因子について統計学的に検討を行い,p < 0.05を有意差ありと判定した.観察期間の中央値は42(4.6-175.9)ヵ月であった.【結果】対象176例の年齢中央値は64(31-87)歳,男性111例,女性65例,術前化学療法なしで切除を行った症例が122例,切除困難例に対してNACを行った後に切除した症例が33例,切除不能例に対して化学療法を行い切除可能となった症例が21例,同時性肝転移107例,異時性肝転移69例,術後補助化学療法が67例に施行され,109例が経過観察であった.補助化学療法の内訳は,WHFが2例,5FU経口剤が35例,5FU/LVが12例,FOLFOXもしくはXELOXが17例,その他が1例であった.術後補助化学療法は,65歳未満,同時性肝転移,H2 / 3で有意に高頻度に施行されていた.5yOS,5yRFSは補助化学療法なし群でそれぞれ58.4%,27.7%,補助化学療法あり群でそれぞれ55.5%,32.2%であり,補助化学療法の有無で両群間に有意差を認めなかった.OSに関して臨床病理学的因子について単変量解析を行ったところ,肝転移数5個以上,H2 / 3,術前化学療法ありで有意差を認めた.単変量解析で有意差が認められた3つの因子について多変量解析を行ったが,明らかな有意差は認めなかった.RFSに関しても同様に検討を行うと,単変量解析では同時性肝転移,肝転移5個以上,H2 / 3,術前化学療法ありで有意差を認め,これらの因子について多変量解析を行うと,肝転移5個以上,術前化学療法ありの2つの因子が独立した予後不良因子として選択された.【結語】大腸癌肝転移R0切除後の補助化学療法の有効性は確認できなかった.しかし,同時性肝転移,H2 / 3の高リスク群に多く施行されており,予後の改善に貢献している可能性がある.
詳細検索