演題

RS3-154-15-4

当科における大腸癌卵巣転移に対する治療方針

[演者] 平松 康輔:1
[著者] 的場 周一郎:1, 戸田 重夫:1, 岡崎 直人:1, 建 智博:1, 富沢 賢治:1, 花岡 裕:1, 森山 仁:1, 黒柳 洋弥:1
1:虎の門病院 消化器外科

【背景】大腸癌卵巣転移は,本邦の女性大腸癌全体の1.6-6.4%と報告されており決して稀ではない.卵巣転移に対する化学療法は他の転移巣と比較し効果が低く,手術を推奨する報告がある.当院でも大腸癌卵巣転移が疑われた症例に対して,他に切除不能な遠隔転移を伴っていてもQOL維持のために両側付属器切除を行っている.当科で手術を行った大腸癌卵巣転移症例について検討する.
【方法】2009年1月から2016年11月までに当院で大腸癌卵巣転移に対して切除を行った22例を対象とし,原発巣の病理学的特徴,転移性卵巣腫瘍の臨床及び画像的特徴,手術結果,手術時の併存遠隔転移臓器,予後について検討した.
【結果】原発巣の部位は虫垂1,盲腸1,上行結腸4,横行結腸3,下行結腸1,S状結腸5,直腸7,組織型はtub 13,por 6,muc 3,深達度はpT3 4,pT4a 17,pT4b 1.卵巣同時性転移は3例,異時性は19例であった.卵巣切除時に20例が他に遠隔転移を伴い,腹膜播種18例,肝臓6例,肺3例,その他1例.22例中9例が有症状であり,腹部膨満感5例,会陰痛2例,腹痛1例,頻尿1例.CTにおける卵巣腫瘍最大径の中央値は75mmで有症状例は120mm,無症状例は54mm.12例でPET-CTを施行し,全てFDG異常集積を認めた.術式は腹腔鏡手術が14例,開腹手術が8例であった.摘出検体最大径の中央値は腹腔鏡手術で66mm[31-143mm],開腹手術で166mm[82-200mm]であった.術後合併症は1例で子宮内出血認めたが保存的に軽快した.卵巣転移切除からの全生存期間中央値は18か月であった.卵巣手術時にR2手術となったのが19例で,それらの卵巣転移切除からの全生存期間中央値は13か月であった.卵巣切除前に化学療法を行っていた10例のうち卵巣以外の転移巣がSDからPRであった症例が6例,PDであった症例が4例であった.SDからPRの6例はいずれも手術後同レジメンを継続しており,卵巣手術からの無増悪期間の中央値は8か月であった.
【考察】大腸癌卵巣転移は他臓器が化学療法によりコントロールされていても急速な増大を認めることが多く,また診断時には腫瘍随伴症状を認めることも多い.また化学療法により生存期間1年以上が期待できることや手術侵襲を鑑みても,QOL維持のため積極的に切除することは容認されると考えられた.
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