演題

RS3-154-15-3

切除可能な腹膜播種を有する大腸癌

[演者] 川原 聖佳子:1
[著者] 西村 淳:1, 新国 恵也:1, 河内 保之:1, 牧野 成人:1, 北見 智恵:1, 角田 知行:1, 須藤 翔:1, 松本 瑛生:1
1:長岡中央綜合病院 外科

【はじめに】同時性腹膜播種を有する大腸癌は,切除しR0となれば長期生存が望めるがその数は少ない.術前診断は難しく,切除後の化学療法についても決められたものはない.当科での同時性腹膜播種に対する治療方針は,P1,P2は他の遠隔転移があってもR0の可能性があれば積極的に切除,R0後の化学療法は基本的に行うが,レジメンについては患者との相談により決定,としている.【目的】P1,P2症例に対するR0切除例(二期的切除後のR0を含む)についてretrospectiveに検討し,当院の治療成績が妥当なものであるかどうかを明らかにする.【対象】2006年1月から2015年12月までの大腸癌手術症例のうち同時性腹膜播種を有する症例は87例で,そのうちP1,P2症例は49例であった.他の遠隔転移によりR0とならないものを除く,30例(男性14例,女性16例,年齢中央値67歳(36-97歳))を対象とした.【方法】臨床病理学的検討を行い,全生存期間を比較した.【結果】全例でR0となっており,その内訳は,P1 15例,P2 15例,P因子のみ25例,P因子とH1 2例,P因子とM1 (LYN) 1例,P因子とH1M1 (LYN) 2例.結腸21例,直腸9例で,二期的切除でR0となったのは3例あった.術後化学療法はL-OHPを含む治療を18例,内服治療を6例で施行しており,無治療の6例は高齢者や併存疾患があるものだった.術後再発が無いのは9例(34.5%),再発したのは21例で,直腸癌は全例再発していた.初回再発部位は腹膜播種を伴うものが14例(66.7%),肝•肺1例,肺•リンパ節1例,肝・リンパ節1例,肺3例,肝1例.全生存期間中央値は51ヶ月(観察期間中央値33ヶ月)であり,播種の程度や局在別で有意差無し.主リンパ節に転移を認めた群で予後不良(N2まで62ヶ月,N3 19ヶ月(p=0.001)),分化度の低い癌で予後不良(por,sig,mucを含まない(到達せず),含む19ヶ月(p=0.004)),化学療法を行った群で予後良好(有り55ヶ月,無し12ヶ月(p=0.004))であった.再発部位別での有意差は無かった.【まとめ】当科における同時性腹膜播種の治療成績は,播種の程度にかかわらずR0となれば約3割に再発を認めておらず,積極的に切除する価値はあると思われた.一方,初回再発時に腹膜播種を伴う症例が6割以上あり,その多くは治療困難であるため,切除後の予防治療については検討を要する.
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