演題

RS3-154-15-1

遠隔転移を含むR0切除し得たStage IV直腸癌の予後因子としての術前short-course radiationとCA19-9の意義

[演者] 三城 弥範:1
[著者] 秋吉 高志:1, 鈴木 紳祐:1, 小倉 淳司:1, 長嵜 寿矢:1, 小西 毅:1, 藤本 佳也:1, 長山 聡:1, 福長 洋介:1, 上野 雅資:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

【はじめに】直腸癌Stage IVは,遠隔転移だけでなく局所コントロールも考慮した治療戦略が必要であるが,いまだ確立された治療戦略はない.今回我々は原発とともに転移巣も根治切除を行ったStage IV直腸癌の当術前放射線治療(RT)の意義と予後因子につき考察した.【対象と方法】2004年7月から2015年7月までに当院において原発とともに遠隔転移の肉眼的根治切除が行われた73例を検討した.当院ではRb,cT3以上and/or N≥1のStage IV直腸癌に対してShort-course radiationを施行しており,肝転移,肺転移に関しては大きさ,数により切除適応を決定し術前化学療法を施行している.【結果】観察期間35.2ヶ月(3.5-106.4), 肝転移65例 (86.3%), 肺転移6例 (8.2%), 肝肺同時転移2例 (2.7%), 性別は男性/女性:49/24例,年齢59歳(27-82),腫瘍肛門縁距離 6.5 cm (0-16),術前化学療法を46例,術前RTを21例に施行した.術前CA19-9 ≥37/<37 U/ml:28 (38.4%)/45 (61.6%), pT0-2/T3-4=10/63例.リンパ節転移あり/なし:52/21例.3年全生存率(OS):80.5%,3年無再発生存率(RFS):23.1%,3年局所再発率(LRFS):84.4%であった.臨床病理学的因子のうち,術前RTはOS,LRFS共に有意な差は認めなかった(OS:P=0.5, LRFS:P=0.5).多変量解析では術前CA19-9高値はOSで有意な予後不良因子で (HR:2.95,95% CI:1.12-8.12, P=0.03) ,CA19-9正常群は再発時に繰り返し切除することにより予後を延長できており(P=0.04)有意に再発後生存期間も長かった(P=0.03).【結論】Stage IV直腸癌に対して術前放射線化学療法はOSやLRFSに寄与しないが,CA19-9は予後推測因子となる可能性があり,CA19-9正常群では繰り返し再発切除を行うことにより長期予後が得られていることから,CA19-9正常群では術前放射線治療により局所コントロールを行うことが許容されると考える.
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