演題

RS2-72-11-6

残胃の血管・リンパ管走行からみた残遺癌の合理的リンパ節郭清範囲の検討

[演者] 中川 登:1
[著者] 加藤 俊治:1, 平島 相治:1, 曽我 耕次:1, 西尾 実:1, 高 利守:1, 小黒 厚:1, 岡野 晋治:2, 山根 哲郎:2, 安川 林良:2
1:JCHO 神戸中央病院 消化器外科, 2:松下記念病院 外科

【目的】残胃のリンパ流は,切除・郭清・吻合・癒着などにより,複雑に変化しており,それに伴ってリンパ節転移状況も複雑に変化し,郭清上,注意が必要である.今回,残胃癌のリンパ節転移状況を検索し,微粒子活性炭(CH40)による胃上部(U)のリンパ流検索結果を含め,残胃の血管・リンパ管走行からみた残遺癌の合理的郭清範囲につき検討した.
【方法】残胃癌切除例15例,胃上部(U)癌切除例242例を対象にリンパ節転移状況を検索し,微粒子活性炭(CH40)により,胃上部(U)のリンパ流も検索した.(N分類は胃癌取扱い規約13版に準拠)
【成績】残胃癌では,早期癌5例(N0),進行癌10例で,リンパ節転移度は全体で13/167(7.8%)とU癌19.3%に比べて低率であった.一方,SEI例は,残胃癌7例(46.7%),U癌37例(15.3%)で,残胃癌に高率であり,そのリンパ節転移状況は,残胃癌ではN1が3例と最も多く,N1・N2例が71.4%を占めているのに対し,U癌では,N2例が13例と最も多く,N1・N2例が54.1%であった.また,リンパ節転移陽性残胃癌のうち,SEI例は87.8%を占めており,U癌SEI例に比べN1例が多く,N3例が少なかった.CH40によるリンパ流検索結果から左胃動脈(LGA),後胃動脈(PGA)の有無により第2群の転移好発リンパ節が異なることが判明した.
【結論】残胃リンパ流からみて,LGA,PGAの有無により第2群の転移好発リンパ節が異なり,術前,3DーCT-AGによる血管走行の検索が必要である.残胃癌は局所の進展が高度の割には,リンパ節転移の程度(転移率,転移度)は低く,新生・側副リンパ路が出現しているものの,既存のリンパ路の破壊もかなり強く,全体としてリンパ流(リンパ行性進展)の減少が見られる可能性が示唆された.進行残胃癌は,遠隔転移がなければSEI例でも周囲臓器合併切除により長期生存の可能性がある.
詳細検索