演題

RS2-72-11-3

残胃癌におけるリンパ節転移と至適郭清範囲の検討

[演者] 伊藤 友一:1
[著者] 伊藤 誠二:1, 三澤 一成:1, 植村 則久:1, 木下 敬史:1, 千田 嘉毅:1, 安部 哲也:1, 小森 康司:1, 清水 泰博:1, 木下 平:1
1:愛知県がんセンター中央病院 消化器外科

【背景】残胃の癌では初回胃切除時の小弯側リンパ節郭清によりリンパ流が変化することで,残胃癌におけるリンパ節転移の状況が初回手術とは異なり,至適郭清範囲に影響を及ぼす可能性があると考えられる.【目的】当院における残胃癌手術症例のリンパ節転移の状況から至適郭清範囲を検討する.【対象と方法】2005年4月から2010年3月に,残胃癌に対して手術を施行した41例で,初回病変が良性(B群)9例と悪性(M群)32例に分けて比較検討した.【結果】B群は全例男性で,年齢の中央値は69(47-79)歳,M群は男性26例・女性6例で,63.5(48-84)歳.初回手術からの介在期間の中央値はB群:40(25-55)年,M群:3(1-37)年で,B群において介在期間が長かった.初回手術の再建方法はB群でB-1:1例,B-2:8例,M群でB-1:21例,B-2:1例,R-Y:2例,PPG:1例,PG:2例,PD:3例,局切:2例.B群でB-2再建後の症例が多かった.残胃癌に対する術式はB群で局切1例,幽切2例,残胃全摘:6例,M群で幽切:4例,残胃全摘:28例.郭清(D1+まで/D2)はB群(6/3)例,M群(24/8)例.組織型(分化型/未分化型)はB群(5/4)例,M群(14/18)例,進行度(pStageI/II/III/IV)はB群(5/1/3/0)例,M群(17/5/6/4)例,深達度(T1/T2/T3/T4)はB群(5/0/1/3)例,M群(16/3/6/7)例で,何れも両群間に有意な差は認めなかった(p=0.53,0.44,0.48).5年生存率はB群66.7%,M群56.3%で有意差を認めなかった(p=0.39).リンパ節転移を認めた症例はB群3例(33%),M群14例(44%)で有意差を認めず(p=0.57),その症例の深達度はB群では3例ともT4,M群ではT1/T2/T3/T4:1/3/5/5例であった.#10・#11dに転移を認めた症例はB群1例(11%),M群3例(9.4%)で,両群ともにSS以深の症例であった.小腸間膜リンパ節転移を認めた症例は1例あり,B群で初回手術はB-2再建であった.【まとめ】残胃の早期癌であれば,初回手術におけるリンパ節郭清の影響が高くはないことが予想され,脾摘は必要ない可能性が示唆された.また,初回手術の再建が残胃小腸吻合症例では小腸間膜リンパ節への転移を考慮して手術を行う必要があると考えられた.少数例の検討であり,症例を重ねて更なる検討が必要である.
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