演題

RS2-71-11-2

当院における残胃癌症例の治療成績

[演者] 池田 篤:1
[著者] 滝口 伸浩:1, 鍋谷 圭宏:1, 早田 浩明:1, 外岡 亨:1, 知花 朝史:1, 高山 亘:1, 千葉 聡:1, 星野 敢:1
1:千葉県がんセンター 消化器外科

【目的】潰瘍手術の減少や胃癌術後成績の向上,早期胃癌に対する内視鏡治療の増加など残胃癌の疾患背景や治療法も変化がみられている.また,残胃癌は初回手術による影響により初発胃癌とは異なる進展状況を示すとされている.当院における残胃癌の治療実態とリンパ節転移,予後等について検討した.【対象】2000年1月から2016年11月までに当科で施行した残胃癌切除症例64例および2006年以降に当院で施行した残胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)症例42例の102例(109病変)を対象とした.【結果】年齢は50-89歳(中央値72歳).男性90例,女性12例.初回疾患は良性31例,悪性71例で施行手術は幽門側胃切除術91例,噴門側胃切除術7例,その他4例だった.残胃の発生部位はA:S:O:T=14:7:84:4と非断端部に多くみられたが,胃空腸吻合再建例で断端吻合部の発生が多い傾向がみられた.深達度はT1:T2:T3:T4=80:10:7:12でT因子が大きいほど未分化型の比率が高くなった.ESDは42例43病変に施行され5例が非治癒切除となり4例に手術が施行された.ESDのみの症例での再発はみられなかった.手術症例では胃全摘術59例,幽門側胃切除術4例,局所切除術1例が施行された.手術症例の進行度はStageⅠ:Ⅱ:Ⅲ:Ⅳ=42:10:9:3例だった.リンパ節転移は64例中17例にみられ全例T2以深だった.転移リンパ節は#1-#4d,#7-#11dおよび空腸間膜リンパ節(#j)と領域リンパ節のほぼ全体に認められた.#10陽性例はいずれも残胃全体癌でT4症例だった.#j転移陽性例は前回胃空腸吻合で再建された空腸浸潤陽性の症例だった.またT2,前壁症例でも#11d転移陽性例が見られた.術後補助化学療法はStageⅡ,Ⅲ症例で18例中11例に施行された.R0手術は61例に行われ,12例に再発がみられた.再発はリンパ節転移陽性で有意に多かった.再発部位は腹膜が最も多く次いで血行性転移だった.進行度別の5年生存率はⅠ:Ⅱ:Ⅲ:Ⅳ=100:88.9:13.9:0.0%と初発胃癌の胃全摘術症例と比較してStageⅢ以上で予後不良だった.【結論】残胃癌に対しては,早期癌では分化型が多いことから内視鏡治療の適応となる例も多く手術例も通常胃癌と予後に差はみられなかった.進行癌ではD2郭清を伴う胃全摘術が必要で,胃空腸吻合再建が行われている症例では空腸間膜リンパ節の郭清を追加する必要がある.更に残胃癌の再発部位および予後からは手術のみではなく化学療法のさらなる検討が必要と考えられた.
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