演題

RS1-25-11-4

腹腔鏡下幽門保存胃切除術における体腔内端端吻合法(ピアス法)の術後短期成績

[演者] 江藤 弘二郎:1
[著者] 大橋 学:1, 比企 直樹:1, 安福 至:1, 井田 智:1, 熊谷 厚志:1, 布部 創也:1, 佐野 武:1, 山口 俊晴:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

【背景】胃中部の早期胃癌に対して幽門保存胃切除(PPG)が機能温存手術のひとつとして行われる.PPG後は,消化機能維持から栄養状態の改善が早く,体重減少が少ないことが報告される.一方で,PPG術後に胃内容停滞が問題となることがある.当院では完全腹腔鏡下幽門保存胃切除術の再建法として,デルタ吻合による体腔内側側吻合行ってきた.簡便で確実な方法だが,術後の胃内容停滞を起こす症例を認めた.そこでより生理的な形態に近づけるために体腔内で端端吻合が可能になるピアス法を開発した.
【対象と方法】ピアス法は,胃胃吻合を行う際,遠位側残胃の大弯の小孔から挿入した自動縫合器を小弯貫通 (pierce)させ,その状態で近位側残胃と吻合して後壁吻合を作成し,近位側,遠位側残遺の切離断端,縫合線,自動縫合器を貫通させた小孔を自動縫合器で切離することで前壁吻合を作成する方法である.鏡視下で自動縫合器を用いて端端吻合が可能になり,より手縫い吻合に近い形態になる.2014年4月から2016年10月に術前に早期と診断され,腹腔鏡下幽門保存胃切除術・ピアス法再建を施行した症例111例の患者背景・術後経過・1年後の栄養状態の推移についてretrospectiveに解析した.
【結果】男性57例,女性54例で年齢中央値は59 (33-79)歳であった.手術時間中央値は291(211-424)分,出血中央値は20(0-410)mlであった.Clavien-Dindo分類でGrade3以上の合併症を7例(6.3%)に認めたが,治療関連死亡は認めなかった.欠食を要するような胃内容停滞は4例(3.6%)に認めたが,保存的にいずれも軽快した.術後在院期間中央値は10.0(7-54)日であった.術後病理はp Stage IA /IB/IIA /IIB/III/IV;98/7/1/3/0/0であり,現在再発例は認めていない.術後1年後の体重減少は-6.4%であった.また,栄養指標の変化はアルブミン:+2.2%,プレアルブミン:-8.1%,総蛋白:+1.4%であり,術後の変化としては許容内と考えられた.
【結論】腹腔鏡下幽門保存胃切除術におけるピアス法は手術時間が長い傾向にあるが安全に施行でき,術後stasisも少ない術式と考えられた.腹腔鏡下幽門保存胃切除術で,胃胃吻合を端端吻合にしたい場合に有用な方法と考える.
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