演題

RS1-25-11-2

幽門側胃切除B-I再建と幽門保存胃切除の術後QOLにおける施設間差の検討

[演者] 中田 浩二:1,9
[著者] 池田 正視:2,9, 高橋 正純:3,9, 吉田 昌:4,9, 木南 伸一:5,9, 上之園 芳一:6,9, 藤田 淳也:7,9, 並川 努:8,9, 寺島 雅典:9, 小寺 泰弘:9,10
1:東京慈恵会医科大学附属第三病院, 2:佐久市立国保浅間総合病院外科, 3:横浜市立市民病院 消化器外科, 4:国際医療福祉大学病院 外科, 5:金沢医科大学病院 一般・消化器外科, 6:鹿児島大学病院 消化器外科, 7:堺市立総合医療センター 外科, 8:高知大学附属病院 消化器外科, 9:「胃癌術後評価を考える」ワーキンググループ, 10:名古屋大学附属病院 消化器外科二

各胃切除術式が術後QOLに及ぼす影響を調べるために行われた全国規模の多施設共同研究;PGSASスタディにおいて幽門保存胃切除(PPG)の幽門側胃切除Billroth I法再建(DGBI)に対する有効性が示されたが,その差はいずれも「効果量が小」であり期待されていたよりも小さかった.PPGは胃中部の早期癌に対して広く行われているが,施設により適応や手技が異なり,その有効性についての印象もまちまちである.PPGにおける至適な適応と手技を明らかにすることで,PPGの有効性を最大限に引き出すことが期待される.
【目的】各施設におけるPPGの適応と手技の違いが,術後のQOLに及ぼす影響について検討した.
【方法】PGSASスタディに登録されPGSAS-45質問票を回収した胃切除後患者(75歳以下,PS 0-1,Stage IA-IB [規約13版],術後1年以上経過)のうち5例以上のDGBIとPPGを登録した施設の症例を解析対象とした(DGBI;36施設871例,PPG;21施設,289例).DGBI,PPGのそれぞれについてPGSAS-45質問票のQOL全体を包括する主要評価項目である「生活不満度SS」について各施設の平均値を算出し,解析対象施設全体の平均値および標準偏差を算出し術式間で比較検討した.また,各施設を生活不満度SSの平均点が優れている順にDGBI,PPGをそれぞれ良好群,普通群,不良群の3群に分けて同一術式における施設間差を比較検討した.
【結果】DGBI,PPGの順に各施設の生活不満度SSの平均値は1.92, 1.85,標準偏差は0.21,0.35であった.DGBI,PPGともに良好群,普通群,不良群のすべての組合せにおいて有意差が認められた.良好群-不良群の施設間差の大きさを表す効果量Cohen's dは,それぞれDGBIが0.8,PPGが1.5(ともに「効果量が大」)であった.
【結論】同一術式であるにもかかわらず胃切除後のQOLには施設間差が認められた.施設間差の大きさはPPGではDGBIと比べて約2倍と著明であり,PPGの適応と手技の違いが影響を及ぼしていると考えられた.PPGにおける至適な適応と手技を明らかにし標準化するとともに,さらなる改良を加えることで施設間差を減らし胃切除後のQOLを向上しうる可能性が示唆された.
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