演題

RS1-24-11-4

胃癌噴門側胃切除後再建における観音開き法と空腸間置法の短期成績

[演者] 羽藤 慎二:1
[著者] 野崎 功雄:1, 落合 亮二:1, 御厨 美洋:1, 小林 成行:1, 小畠 誉也:1, 太田 耕司:1, 棚田 稔:1, 栗田 啓:1
1:四国がんセンター 外科

【背景】胃癌噴門側胃切除後の至適再建法は定まっていない.当院では従来,食道胃逆流の防止に重点をおき,空腸間置法(IP)を施行してきたが,近年,観音開き法(EG)を標準再建法として導入している.EG再建について,その短期成績をIPと比較検討した.
【方法】2008年より胃癌に対して施行された噴門側胃切除術63例を対象とした.再建法によりIP群31例(全例開腹),EG群32例(うち腹腔鏡17例)の2群に分け,手術成績(手術時間,出血量,術後在院日数,術後合併症,経口摂取状況,及び,術後1年のAlb値,体重変化率,内視鏡所見)について検討した.特に,再建が関連したと考えられる縫合不全,吻合部狭窄,排泄遅延等をあわせて再建関連合併症と定義し検討した.なお,IP群では10-15㎝の単管空腸を食道-残胃間に間置し,EG群では2.5x3.5㎝のH型フラップを作成して再建を行った.
【結果】以下,中央値(範囲)で示す.手術時間(分)は,IP開腹 212:EG開腹 217:EG腹腔鏡291で,出血量(ml)は,IP開腹 250:EG開腹 270:EG腹腔鏡 80であり,開腹例の比較では差を認めなかった.術後在院日数は,IP 14(8-71):EG 14(9-34).Clavien-Dindo分類G2以上の全合併症はIP7例:EG5例に認め,再建関連合併症は,IP 5例(縫合不全G4,挙上空腸間膜起因の腸閉塞G3,空腸空腸吻合部狭窄G2,排出遅延G2が2例):EG 1例(吻合部狭窄G2)であった(p=0.08).クリニカルパス通りの食事摂取完遂例の割合はIP 77%:EG 90%であった.術後1年経過例における術後1年Alb値(g/dl)は,IP 4.15 (3.5-4.9):EG 4.2 (3.7-4.4)であり,術後1年体重変化率はIP -13 (-24~3)%:EG -14 (-23~0)%と差を認めなかった.術後1年の内視鏡施行例(IP26例,EG21例)では,LA分類B以上の逆流性食道炎例は,IP 0例:EG 1例で,食物残渣G3以上はIP 8例:EG 4例に認め,差を認めなかった.
【結語】胃癌噴門側胃切除における観音開き法再建は,空腸間置法に比して手術時間,出血量,全合併症率,術後1年目のAlb値,体重減少率,内視鏡所見の各成績は劣らなかった.また,再建に関連する合併症率は少ない傾向にあり有望な再建法と考えられた.
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