演題

RS1-24-11-1

噴門側胃切除・空腸間置再建の治療成績

[演者] 窪田 健:1
[著者] 熊野 達也:1, 高畠 和也:1, 加藤 千翔:1, 古家 裕貴:1, 岸本 拓磨:1, 井村 健一郎:1, 池田 純:1, 谷口 史洋:1, 塩飽 保博:1
1:京都第一赤十字病院 外科

【目的】胃上部癌や食道胃接合部癌に対し,縮小手術としての噴門側胃切除術(噴切)が選択される機会が増えてきている.一方,その再建方法については狭窄や逆流,術後栄養状態などの問題がある.当院では従来より噴切後の再建法として空腸間置を採用してきた.その治療成績について同時期の胃全摘と対比させて報告する.
【方法】2007年1月から2016年12月までに当院で施行した噴切,空腸間置26例(うち腹腔鏡補助下4例),胃全摘76例(うち腹腔鏡補助下21例)を対象とした.噴切の適応はcT1N0で,胃が1/2以上残るものとした.患者背景,手術因子,術後合併症,在院日数,予後,狭窄・逆流症状の有無,術後ヘモグロビン値(g/dl),アルブミン値(g/dl),体重減少を後方視的に検討した.
【成績】噴切群:性別(男:女)16:11,平均年齢68.7歳,ASA-PS(1:2:3)11:13:3例,平均手術時間227分,平均出血量322g,pStage(IA:IB:IIA)22:4:1例,術後平均在院日数15.9日,原病死はなく,多病死を2例に認めた.術後合併症は,Clavien-Dindo grade 3以上は認めず,grade2が3例(11.5%)に認められ,その内訳は膵液瘻,乳び腹水,通過障害であった.逆流/狭窄症状の訴えがあったのは3例(12.5%)/10例(41.7%)であり,同時期の胃全摘群では10例(12.7%)/15例(21.1%)であった.狭窄で拡張術を要したのは噴切群では1例(3.8%),胃全摘群4例(5.4%)であった.術後ヘモグロビン値,アルブミン値の推移(術前, 術後1M, 6M, 12M)は,噴切群12.8, 12.5, 12.4, 12.8 g/dl,4.1, 4.0, 4.1, 4.1 g/dl;胃全摘群12.7, 11.8, 12.0, 12.2 g/dl,4.0, 3.7, 4.2, 4.1 g/dlであった.体重率(1M, 6M, 12M)では噴切群-7.8, -10.4, -9.4%,胃全摘群-7.5, -13.3, -12.0%であった.
【結論】空腸間置では逆流よりはむしろ狭窄のほうが多かった.ただ,術後ヘモグロビン,アルブミン値,体重減少率の低下は胃全摘に比して軽微であった.噴切後の再建法としての空腸間置は安全に施行でき,術後の栄養状態も比較的良好であった.狭窄症状は今後の課題である.
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