演題

RS3-112-6-6

長期予後と周術期合併症のリスクからみた食道癌サルベージ手術の適応

[演者] 速水 克:1
[著者] 渡邊 雅之:1, 峯 真司:1, 今村 裕:1, 岡村 明彦:1, 山下 公太郎:1, 黒河内 喬範:1, 佐野 武:1, 山口 俊晴:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

【背景】食道扁平上皮癌に対する根治的化学放射線療法後の遺残再発に対しては,salvage手術が根治を期待しうるほぼ唯一の治療選択肢となる.食道癌salvage手術は侵襲が大きく術後合併症の頻度が高い.そこでその手術適応は,患者の病態と予後との兼ね合いを考慮し判断する必要がある.近年,食道癌の術後合併症が長期予後に悪影響を及ぼすとの報告が散見されている.今回我々は,長期予後と周術期合併症のリスクからみたサルベージ手術の適応を明らかにすることを目的とした食道癌salvage手術において,手術適応を判断する上での術前因子と,周術期合併症がそれぞれ長期予後に及ぼす影響について検討した.
【対象】1988年1月~2015年12月に当院で施行した食道癌salvage手術77例の内,在院死7例(原病死2例,他病死5例),R1-2 19例を除外したR0症例51例を対象とした.
【結果】術前因子を用い単変量Coxハザード解析(CSS)では,BMI(<20/20≦):HR3.216(1.262-8.577),CRT後治療効果(CR/non CR):HR0.165(0.038-0.497,p=0.0007),ycT(1-2/3-4):HR0.345(0.128-0.862,p=0.023),ycN(0/1-3):HR0.217(0.083-0.540, p=0.001)が有意な予後不良因子として抽出された.
術後合併症は30例 (58.8%)に認められた.感染性合併症は25例(49.0%),肺合併症は17例 (33.3%),縫合不全は7例 (13.7%)であった.術後合併症の有無における5生率(OS)の比較では,全合併症(無 / 有):38.9 / 27.4%(p=0.224),感染性合併症(無 / 有):50.4 / 14.1% (p=0.008),肺合併症 (無 / 有):40.1 / 15.9%(p=0.003),縫合不全(無 / 有):36.8 / 0% (p=0.124)であった.
肺合併症発生に関与する術前因子における単変量ロジスティック回帰分析では,BMI(<20/20≦):HR4.4(1.307 - 1.733, p=0.016)がリスク因子として抽出された.
【結論】食道癌salvage手術において,術前因子としてのBMI≥20,CR症例,ycT1-2,ycN0は良い手術適応となる.また長期予後に影響する術後肺合併症の頻度リスクが高いため,BMI<20では注意が必要である.
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