演題

RS3-112-6-2

cT4局所進行食道癌に対するSalvage手術を前提とした導入化学放射線療法による治療戦略

[演者] 岩間 密:1
[著者] 白石 治:1, 加藤 寛章:1, 平木 洋子:1, 安田 篤:1, 新海 政幸:1, 今野 元博:1, 木村 豊:1, 今本 治彦:1, 安田 卓司:1
1:近畿大学医学部 上部消化管

【はじめに】局所進行食道癌(cT4)症例の予後は不良であり,その予後規定因子は局所制御であるが,cT4症例に対する根治化学放射線療法(dCRT)のCR率は約2割程度.局所制御率を上げ予後改善を図るにはdownstagingが得られた症例に対する積極的なSalvage手術でのR0率向上が必要.同時にSalvage手術の安全性確保も必要.
【目的】cT4症例に対しSalvage手術を前提とした50Gy以上導入化学放射線療法による治療戦略を考案.その有用性と安全性を後方視的に検討.
【対象】2008年-2014年に50Gy以上導入CRT施行cT4症例42例.
【方法】cT4定義: CTで気管気管支の不正な圧排を認め腫瘍の主座が一致するもの,Picus角90度以上のもの.FP併用dCRTを施行,T4解除例にSalvage手術,T4非解除例には全身化学療法を追加.本治療戦略の有効性と安全性を検討.
【術後合併症対策】1.手術手技:術前画像の詳細な読影に基づく温存臓器面を意識した瘢痕組織の鋭的剥離.2.縫合不全対策:照射野内の胃噴門部を切除,多数回切離による長い大彎側細径胃管を胸骨後経路で挙上,胃管のできるだけ肛門側を用い高位食道吻合.胃管余剰大網による吻合部背側の死腔充填と被覆.3.肺炎対策:咳嗽保持のため腹筋温存を図ったHALS手技.重症合併症例は二期分割手術.周術期呼吸・嚥下リハビリ積極介入.4.気道壊死対策:気管支動脈を極力温存,気管鞘内lateral longitudinal anastomosisは確実に温存.5.郭清:気道血流温存のもとに通常郭清.
【結果】
[患者背景]男/女=37/5.主座:Ut/Mt/Lt=17/19/6.cT4臓器(重複あり):大動脈/気管/気管支/肺静脈=13/23/9/1.
[全体に関する検討]
T4解除率35/42(85.7%).CR4例(9.5%)でCR例中2例は無再発生存,2例に領域内リンパ節再発を認め,1例はGrillo手術にて治癒生存,1例は化学療法に奏効せず原病死.手術例31例,一期/二期手術=26/5,2領域/3領域LN郭清=13/18.R0切除27例(87.1%),領域内/遠隔再発=3/7.局所制御率27/42(64.2%).非手術7例は全例再燃死亡.OS:1y/3y/5y=78.6%/42.9%/32.8%で,手術例にのみ術後15-46か月に晩期肺炎死7例(22.6%)を認めた.癌特異的生存率:1y/3y/5y=80.2%/53.1%/47.8%.
[手術合併症に関する検討]
縫合不全2例(6.5%),肺炎7例(22.6%),再挿管2例(6.5%),在院死2例(6.5%).
【結語】局所進行食道癌に対するSalvage手術を前提とした50Gy以上導入CRTによる治療戦略は,手術安全性も高く,有効.今後,晩期の肺炎予防が課題.
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