演題

RS3-112-6-1

胃切除後食道癌に対するサルベージ手術を含む化学放射線療法症例の検討

[演者] 奥村 浩:1
[著者] 内門 泰斗:2, 尾本 至:2, 佐々木 健:2, 瀬戸山 徹郎:1, 樋渡 清治:1, 南 幸次:1, 南曲 康太:1, 前之原 茂穂:1, 夏越 祥次:2
1:JA鹿児島厚生連病院 外科, 2:鹿児島大学大学院 消化器・乳腺甲状腺外科学

【目的】胃切除後食道癌症例の治療は外科治療が主体であるが,近年は耐術困難症例を中心に化学放射線療法(CRT)による治療も行われている.今回,胃切除後食道癌に対するCRT症例の検討を行った.
【方法】九州食道癌合併療法談話会のアンケート調査で集積された胃切除後食道癌症例中CRTで治療された70症例の治療成績を検討した.
【成績】対象症例の平均年齢は69.6歳で,男:女は67:3例であった.cT1/2/3/4 は27/7/20/16例,cN/1/2/3/4は37/11/10/12例,cM0/1(Lymph)は62/8例,cStageI/II/III/IVは29/9/24/8例で,T1, T4症例,遠隔リンパ節転移症例,StageI, IV症例が多く認められた.全症例での奏功度(CR/PR/SD/PD)は40/16/8/6例で57%がCR判定されていた.病期別の奏功度はStageIのCR/PR/SD/PDがそれぞれ26/2/1/0,StageIIが3/4/0/2,StageIIIが10/8/5/1,StageIVが1/2/2/3例で,病期が進むに従い奏功度の低下が認められた.全症例での3年/5年生存率は46.3/38.0%で,病期別5年生存率は,StageIが82.6%,StageII-IVは0%であった.治療効果はCR/PR/SD/PDがそれぞれ40/16/8/6例で,CR症例の5年生存率は61.2%でPR,SD,PDの症例は0%であった.サルベージ手術は10例に行われ,CR7例,PR2例,PD1例の症例に対し施行された.在院死亡は1例に認められたが,5年生存率は36%であった.【結論】胃切除後食道癌症例に対するCRTは,切除困難な進行癌症例や耐術困難症例に適応される場合が多く,StageI症例,CR症例以外の症例に対する利益は少なかった.また,全身状態が許せばサルベージ手術も許容される治療法であると考えられた.胃切除後食道癌は胃切除による影響で腹部へのリンパ節転移頻度が低い傾向にあり,CRTの照射野設定を縮小できる可能性があるという報告もあるので,今後さらに胃切除後食道癌症例に対するCRTの適応について検討する必要があると考えられる.
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