演題

O2-57-6-1

救急医と外科医が協力する急性汎発性腹膜炎手術患者の術後管理

[演者] 近藤 正人:1
[著者] 松原 孝明:1, 北野 翔一:1, 熊田 有希子:1, 喜多 亮介:1, 増井 秀行:1, 岩村 宣亜:1, 貝原 聡:1, 細谷 亮:1
1:神戸市立医療センター中央市民病院 外科

【はじめに】
消化管穿孔による急性汎発性腹膜炎手術は重症感染症,敗血症性ショックを伴っている事が多く,手術だけでなく術後管理が重要となる.当院での上記患者群に対する加療方針を提示する.
【方針】
当院では救命救急センターを併設しており,院内発症以外の初期対応は救急部が行うが,手術加療に関しては外科が行っている.敗血症性ショックを含めた術後全身管理が必要な状態(昇圧剤の使用,増悪する腎不全,人工呼吸器管理)の場合には全例ICU管理となり,主科は外科であるが,治療および術後管理に関しては再び救急医が中心となり24時間全身管理にあたっている.Early goal-directed therapyを治療プロトコールとする以外で特別なことは行っていない.感染症治療に関しては腹水や血液培養で陽性と判定された場合,全てICT医師を介して抗菌剤加療についての介入が行われている.緊急手術を行った後に外科医が緻密な全身管理を行うのは限界があると考えている一方,ICUでの全身管理中も,救急医と外科主治医が毎日密に連絡を取り合うことで治療方針決定にタイムラグが生じない様に留意している.また術後合併症予防としてSSI減少目的に汚染創部の閉創プロトコール(洗浄方法,埋没縫合,創部被覆材の指定)を作成し,ICT医師と外科を中心としたSSIラウンドも定期的に行っている.
【結果】
2016年1月より12月中旬まで全身麻酔で行った緊急手術は339例あり,上部消化管穿孔,胆嚢炎,(穿孔含む)虫垂炎と食道穿孔を除外すると58例.うち13例は院内発症で縫合不全が10例.人工肛門造設は30例.大腸癌や大腸憩室穿孔が多く見られた.汚染手術で人工肛門併設した場合は表層SSIが特に多いとされている中,22%の症例にSSIが見られた.術後ICU管理となった患者での術後在院死は認めていない.
【結語】
術後ICU管理と手術加療が完全に分業されている事で外科医の立場としては手術加療に集中でき,数多くの救急外科疾患を治療するなかで,患者救命にも少なからず寄与しているのではないかと思われる.
詳細検索