演題

O2-86-13-3

CEA遺伝子導入iPS細胞由来樹状細胞を用いた癌免疫治療の実現可能性

[演者] 北谷 純也:1
[著者] 尾島 敏康:1, 岩本 博光:1, 田端 宏尭:1, 中森 幹人:1, 中村 公紀:1, 早田 啓治:1, 勝田 将裕:1, 宮嶋 正康:2, 山上 裕機:1
1:和歌山県立医科大学医学部 外科学第二教室, 2:和歌山県立医科大学医学部 動物実験施設

樹状細胞療法を臨床的に用いる場合,担癌患者から誘導したDCsは成熟能が低く,さらに抗原提示能が低いのことが問題点としてあげられる.我々は,iPS細胞が細胞療法に用いるDCsを作製する材料として有用ではないかと考えた. Carcinoembryonic Antigen (CEA) 遺伝子を導入したヒトiPSDCsがヒトモデルにおいてCEA特異的細胞傷害性T細胞(CTLs)を誘導することができるかどうか,およびCEAトランスジェニックマウスモデルにおいてマウスiPSDCsが実際の抗腫瘍効果を示すかどうかを検討した.
我々は,3人の健常ドナーのiPS細胞からヒトiPSDCsを分化させ,CEA cDNAをiPSDCsに遺伝子導入した.ヒトiPSDCsの表面マーカーの発現率,サイトカインの分泌能および遊走能は,ヒト単球由来のDCs(MoDCs)と同等であった.CEA遺伝子導入ヒトiPSDCsにより自己末梢血単核細胞(PBMCs)を3回刺激した後,51Crリリースアッセイを用いて細胞傷害活性を評価した.ヒトiPSDCs-CEAによって誘導されたCTLsは,CEAを発現する標的細胞に対してCEA特異的に細胞傷害活性を示した.さらに,CEAトランスジェニックマウスモデルにおいて,マウスiPSDCs-CEAで免疫したマウスで誘導されたCTLsは,MC38-CEAに対してCEA特異的に細胞傷害活性を示した.さらに,皮下腫瘍モデルにおいて,マウスiPSDCs-CEAによるワクチンは,MC38-CEAに対して有意に高い腫瘍増殖抑制効果を認めた.また,有害事象は観察されなかった.我々が進めているTAA遺伝子導入iPSDC癌ワクチン研究は,癌免疫遺伝子治療においてbreak throughとなると確信している.
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