演題

O2-86-13-1

胃癌S-1術後補助化学療法における腫瘍浸潤好中球およびPD-1 +T細胞と全身炎症指標との関連と予後への影響

[演者] 田中 浩明:1
[著者] 田村 達郎:1, 平松 宗一郎:1, 西村 潤也:1, 三木 友一朗:1, 豊川 貴弘:1, 六車 一哉:1, 前田 清:1, 平川 弘聖:1, 大平 雅一:1
1:大阪市立大学大学院 腫瘍外科学

【背景】本邦ではS-1を用いた術後補助化学療法はステージII/ III期胃癌の標準療法である.また,宿主の免疫学的状態は治療成績にとって重要であり,好中球リンパ球比(NLR)およびmodified Glasgow Prognostic Score(mGPS)を含む全身免疫性炎症指標が腫瘍進行をよく反映することが報告されている.これまで我々は好中球やPD-1陽性細胞の浸潤は予後不良因子であることを報告してきた.【目的】本研究は,S-1術後補助化学療法を施行した胃癌症例における免疫炎症性指標と腫瘍浸潤好中球およびPD-1陽性T細胞との関連および予後への影響について後方視的に検討した.【患者と方法】2006年から2015年の間に教室で外科手術およびS-1術後補助療法を受けたpStage II / III胃癌患者170例の臨床データを分析した.腫瘍浸潤細胞は免疫組織染色によって判定した.【結果】再発症例は70例(41%)であった. Cox比例モデルを用いた予後因子解析において,mGPS 2,術後CEA, CA19-9の上昇,リンパ球低下およびNLR高値が再発と関連していた.多変量解析において,CEAおよびNLRの術後上昇は,独立した危険因子となり,手術前NLRおよびCEA値の上昇は,手術後1年以内の早期再発と有意に関連していた.一方,腫瘍浸潤好中球およびPD-1 + T細胞は,術前NLRおよびCEA値の増加と相関していた.PD-1 + T細胞および好中球の低浸潤症例は,高浸潤の患者よりも良好な予後を有した.【結論】CEAおよびNLR値の上昇は,胃癌手術後のS-1アジュバント化学療法で治療した患者の再発の予測マーカーとして有用であり,腫瘍浸潤好中球およびPD-1 + T細胞と相関する.このことは,局所免疫抑制が全身免疫反応低下につながり,pStage II/III胃癌の予後を悪化させる重要な要素であることを示唆した.
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