演題

O2-85-13-6

マウス肝移植免疫寛容モデルにおけるレシピエント由来cross-dressed樹状細胞によるホストT細胞抑制の検討

[演者] 小野 嘉大:1,2
[著者] 齋浦 明夫:2, ペレツ アンジェリカ:1, 横田 真一郎:1, 吉田 理:1, 中尾 俊雅:1, キャミランド ジェファリー:1, ゲラー デビッド:1, トムソン アンガス:1
1:ピッツバーグ大学 外科・移植部門, 2:がん研究会有明病院 消化器外科

背景:肝アロブラフト移植がより自然免疫寛容となるメカニズムは未だに解明されていない.近年,マウスの心・皮膚移植拒絶モデルにおいて,ドナーのMHC class Iを共発現したレシピエント由来の樹状細胞(cross-dressed DC)が,脾臓において拒絶の誘導に重要な役割を果たしていることが証明された.そこで,我々はマウスの肝アロ移植,免疫寛容モデルにおいて,cross-dressed DCがどのような役割を果たしているかについて検討した.
方法: 免疫寛容モデルとして,C57BL/6 (B6; H-2b) または B6 SJL CD45.1 mice をドナー,C3H/HeJ (C3H; H-2k)をレシピエントとして用いた肝アロ移植を行った.移植後,1,3,7,14,28,300日に,肝非実質細胞と脾細胞を,flow cytometryまたはImaging flow cytometryで検討した.樹状細胞の機能を確認するため,Mixed leucocyte reactions (CFSE-MLR)も検討した.
結果: グラフト内のレシピエント由来樹状細胞は7日目をピークに急激に増加する一方,ドナー由来樹状細胞は術後7日目にはフローにおいてほぼ消失した.興味深いことに,術後7日において,半数以上のレシピエント由来樹状細胞はドナー由来MHC class Iを発現していた (cross-dressed DC).これらcross-dressed DCは,術後7日目をピークに徐々に減少するも,術後300日においてもグラフト内樹状細胞の20%程度はを占めていた.一方で,脾臓内のcross-dressed DCは,術後どの時点においても0-2%と少数であった.これらcross-dressed DCは,それ以外のレシピエント由来樹状細胞に比べPD-L1を有意に高発現しており,CFSE-MLRにおいて,ドナー反応性レシピエント由来T細胞の増殖を抑制した.
結論: 術後グラフトにおいて,レシピエント由来のcross-dressed DCが術後徐々に増加,7日目のピークには半数以上となることを確認した.これらcross-dressed DCは,PD-L1を高発現しており,ドナー反応性レシピエント由来T細胞に対し抑制的であり,術後長期にわたり(300日以上)グラフト内に存在していた.この結果は,cross-dressed DCが肝アロ移植の免疫寛容において重要な役割を果たしていることを示唆している.
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