演題

O2-85-13-4

肝細胞癌における多中心性及び肝内転移再発予測の為のMolecular gene signatureの検討

[演者] 中川 茂樹:1
[著者] 梅﨑 直紀:1, 山尾 宣暢:1, 甲斐田 剛圭:1, 美馬 浩介:1, 今井 克憲:1, 橋本 大介:1, 山下 洋市:1, 近本 亮:1, 馬場 秀夫:1
1:熊本大学大学院 消化器外科学

背景:肝細胞癌(HCC)の再発形式には残肝より新たな癌が発生する多中心性発癌 (MC)と原発巣の肝内転移による肝内転移再発 (IM)が挙げられる.我々はこれまでにHCCの多中心性発癌を予測する,背景肝の遺伝子発現を元にしたMolecular gene signature(MC signature)を報告してきたがIM再発を予測する有効なgene signatureは未だ確立されていない.今回MC signatureを異なるコホートを用いて検証すると共に,癌部の遺伝子発現を元にしたIM signatureを作成し,検証することを目的とした.
方法:多中心性発癌を予測するGene signature(=MC signature)を,263症例のHCC根治切除症例コホートで検証を行った.IM signatureは80症例のHCC根治切除症例コホートをトレーニングセットとしてsignatureを作成し,87症例のトレーニングセットとは異なるコホートで検証を行った.
結果:MC signatureを用いると,263症例のコホートはHigh- (n=58),Intermediate- (n=148),Low- (n=57) risk群に分類された.High-risk groupは単変量解析において有意に再発率 (HR=6.4, P<0.001)及び全生存率不良 (HR=5.9, P<0.001)と相関した.また,肝硬変 (Fステージ4) 及びAJCCステージ2/3を含む多変量解析においてHigh riskグループはHCC再発 (HR=4.5, P<0.001)及び全生存率 (HR=5.1, P<0.001)に対して独立予後予測因子であった.IM signatureは80症例を含むコホートを用いてHCC再発に相関し,かつ癌部での発言が高い遺伝子を選んで作成した.バリデーションセットではHigh- (n=23),Intermediate- (n=40),Low- (n=24) riskに分類され,High-risk groupは単変量解析において有意に再発率 (HR=2.1, P=0.02)及び全生存率不良 (HR=2.4, P=0.048)と相関した.また,肝硬変 (Fステージ4) 及びAJCCステージ2/3を含む多変量解析においてHigh riskグループはHCC再発 (HR=2.6, P=0.005)及び全生存率 (HR=2.3, P=0.046)に対して独立予後予測因子であった.
結語:MC signature及びIM signatureは共にHCCの再発予測に有用である.
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