演題

O2-84-13-6

胆嚢癌におけるCD44 isoform switchとEMTについての検討

[演者] 三輪 武史:1
[著者] 長田 拓哉:1, 小島 博文:1, 関根 慎一:1, 橋本 伊佐也:1, 渋谷 和人:1, 北條 荘三:1, 澤田 成朗:1, 吉岡 伊作:1, 奥村 知之:1
1:富山大学大学院 消化器・腫瘍・総合外科学

【目的】CD44にはmRNAのalternative splicingによりstandard isoform (CD44s)と複数のvariant isoform (CD44v)がある.乳癌においてCD44vからCD44sへのスイッチングがEMTを引き起こすとされ,腫瘍形成能についても他癌腫より報告があるが,胆嚢癌については十分な報告は認めない.【研究①】胆嚢癌細胞株NOZについて蛍光標識抗CD44抗体で処理しflow cytometry解析にて二峰性の分布を認めた.CD44 standard (CD44std),CD44 variant 9 (CD44v9),EpCAMについて解析すると,NOZはCD44high / CD44std+ / CD44v9- / EpCAMlow (CD44s)およびCD44low / CD44std- / CD44v9+ / EpCAMhigh (CD44v)の2群からなり,各々sortingし解析した.sortingしたCD44s,CD44v細胞の培養でCD44vよりCD44sの出現を確認し,CD44sよりCD44vの出現は認められなかった.【研究②】migration / invasion assayではCD44sで高い遊走能(CD44s vs CD44v : 51.2±27.7 vs 6.1±4.1 cells/field, p<0.0001),浸潤能(16.7±13.6 vs 4.6±2.7 cells/field, p<0.0001)を認めた.【研究③】RT-PCRではCD44sはCD44vに比してVimentin↑ (CD44s/CD44v 19.3倍) /E-cadherin↓(0.0063倍),ZEB1↑(12.2倍) / ZEB2↑(14.2倍)を認めた.【研究④】ヌードマウスによる異種移植試験ではCD44vはCD44sに比して腫瘍生着率,腫瘍径ともに有意に高かった.【結論】胆嚢癌細胞株NOZにおいてCD44vおよびCD44sの併存を確認した.CD44sは間葉系形質と高い遊走能・浸潤能を認め,CD44vは上皮系形質と高い腫瘍形成能を認めた.NOZ細胞株内において,増殖の過程でCD44vからCD44sへのswitchを認めた.これらのisoformは腫瘍の増殖,転移において異なる役割を果たす可能性が考えられた.
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