演題

O2-82-13-3

大腸癌患者血漿エクソソームを用いた高感度プロテオーム解析による新規バイオマーカー探索

[演者] 笠原 桂子:1,2
[著者] 長山 聡:3, 白水 崇:2, 石田 美海子:2, 磯山 純子:2, 足立 淳:2, 朝長 毅:2, 坂井 義治:1
1:京都大学大学院 消化管外科学, 2:国立研究開発法人 医薬基盤研究所 プロテオームリサーチプロジェクト, 3:がん研究会有明病院 消化器外科

[背景]近年,質量分析計の飛躍的な発展により,タンパク質をターゲットとした高感度プロテオーム解析が可能となっている.解析対象は血液とし,様々な成分のうち細胞から分泌される直径100nmほどの膜小胞体であるエクソソームに着目した.エクソソームは,脂質二重膜で構成され,タンパク質やmRNA,miRNA,DNAなどの内因性物質を内包し,細胞から細胞へと運搬していることが知られている.がんにおいては,正常組織からがんの発生,浸潤,転移におけるすべての過程で情報伝達機構の重要な一役を担っていることが知られ,治療ターゲットのみならずドラッグデリバリーシステムへの応用など汎用性の高さも注目されている.[目的]原発性大腸癌患者血漿中のエクソソームを用いた高感度プロテオーム解析から,早期診断および進展にかかわる新規バイオマーカーを提唱する.[方法]健常人:40例,原発性大腸癌Stage II/III:40例,同Stage IV:40例の計120例の血漿を解析対象とした.超遠心法を用いてエクソソーム分画を回収し,LC-MS/MSを用いてショットガン法による網羅的解析を行った.各群間でエクソソームタンパク質に有意差のあったタンパク質は,ターゲットプロテオミクス(Selected Reaction Monitoring法)による検証を行った..[結果と考察]網羅的解析で同定されたエクソソーム由来のタンパク質は,約700であった.健常人とStage II/III,Stage II/IIIとStage IVの各セットで比較したところ,発現量に有意差のある複数のマーカー候補タンパク質を同定した.プロテオーム解析技術を駆使することで新たなバイオマーカー候補タンパク質を探索することが可能である.

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