演題

O3-153-14-4

スペクトル測定を付加した新規蛍光腹腔鏡システムを用いた光線力学的術中診断法について

[演者] 海老原 裕磨:1
[著者] 田中 公貴:1, 野路 武寛:1, 倉島 庸:1, 村上 壮一:1, 中村 透:1, 土川 貴裕:1, 岡村 圭祐:1, 七戸 俊明:1, 平野 聡:1
1:北海道大学大学院 消化器外科学分野Ⅱ

近年,悪性腫瘍疾患に対するセンチネルリンパ節理論が注目され,悪性黒色腫や乳癌の領域ではセンチネルリンパ節生検がすでに本邦でも保険適応となり,胃癌などの領域に関しても臨床応用の報告が散見される.その方法としては,放射性同位元素を用いたRI法,色素を用いた色素法,また,蛍光物質であるインドシアニングリーン(以下ICG)と近赤外線イメージングシステムを用いた方法が主に用いられている.また,近赤外線イメージングシステムはセンチネルリンパ節以外の領域でも臨床応用の報告が多数あり,消化管手術における腸管血流評価や肝切除における肝切除領域の同定,肝腫瘍の同定,冠動脈バイパス術におけるグラフト血管の血流評価など多領域での有用性が示されている.また,今後の癌手術療法においては,患者の高齢化や複数の併存症を持つ患者が増えることが予想され,早期癌に対する機能温存手術を目指したオーダーメイド手術と,進行難治性癌に対するリンパ節転移などの予後不良因子を選別することで集学的治療への移行が必要となってくる.一方,消化器癌における臨床応用が進んでいる胃癌に対するセンチネルリンパ節生検は本邦での多施設共同研究やSystematic reviewが報告されているが,消化管のセンチネルリンパ節生検の感度がICG単独では低いことならびに偽陰性が高いことなどが問題点としてあげられて臨床応用が進んでいない現状がある.これらの問題を解決すべく我々は,近赤外線ファイババンドルを用いた新規蛍光画像腹腔鏡システムを開発した.本システムを用いた胃センチネルリンパ節生検において蛍光画像上ICGが取り込まれたか判断困難なリンパ節においてもICGの蛍光波長が確認でき,局在診断に有用であった.本システムを用いて蛍光観察ならびに蛍光スペクトル測定を同時に行うことにより,鏡視下手術においてより正確な生体情報の把握が可能となる.本システムは,センチネルリンパ節同定法や癌の術中転移診断法に応用できると考えられる.
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