演題

O3-152-14-4

左側結腸・直腸癌手術における術中ICG蛍光法の有用性の検討

[演者] 吉冨 摩美:1
[著者] 河田 健二:1, 山田 晴美:1, 稲本 将:1, 高橋 亮:1, 橋本 恭一:1, 肥田 侯矢:1, 小濱 和貴:1, 坂井 義治:1
1:京都大学大学院 消化管外科学

【目的】縫合不全の予防には腸管血流の評価が最も重要だが,客観的な評価方法としてICG蛍光法が注目されている.今回,ICG蛍光法下に施行した左側結腸・直腸癌手術について,その有用性を検討した.【対象】2013年9月から2016年11月に当科で手術を行った左側結腸,直腸癌 144例.【方法】肛門側で腸管を切離後,小開腹創から口側腸管を体外に導出.腸間膜血管の処理ののち,PDEneo(浜松ホトニクス)を使用して吻合部予定腸管のICG蛍光を観察,腸管血流を記録した.今回,ICG蛍光法による血流評価を行った症例について,患者因子として年齢(平均65歳),性別(M/F 95/49例),BMI(平均22.4),ASA-PS(1/2/3 53/87/4例),腫瘍の局在(D/S/RS/Ra/Rb 1/60/19/46/18例),fStage(0/I/Ⅱ/Ⅲa/Ⅲb/Ⅳ 3/33/52/27/10/19),術式(LC/S/HAR/LAR/ISR 1/57/20/60/6例),手術時間(平均302分),術中出血量(平均30.6g),脾弯授動の有無(有/無 48/96例),口側への切離線変更(≧1cm)の有無(有/無 21/123例)と縫合不全との関係を後方視的に検討した.【結果】縫合不全は6例(4.2%)で認め,腫瘍の局在(Ra/Rb 5/1例)でRaが,fStage(I/Ⅱ/Ⅲa 1/1/4例)でⅢaが,術式(LAR 6例)でLARが,脾弯授動(有/無 5/1例)と口側への切離線変更(有/無 4/2例)の有無で有りの症例が有意に多いという結果であった.そのほかの因子については有意差を認めなかった.さらに血流の評価に関連して,口側への切離線変更を行った21例(14.6%)のうち,4例(19.0%)が縫合不全を起こしており,切離線変更を行わなかった症例の2例(1.6%)より有意に(p<0.01)多かった.一方,切離線を移動した距離については有意差を認めなかった.【結論】今回の検討にて,今後縫合不全の発生率を低下させるために,腸管血流不良の症例ではさらに口側まで十分切除することや一時的回腸人工肛門を造設することなども含めて検討する必要があると考えられた.
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