演題

O3-152-14-3

近赤外線蛍光腹腔鏡イメージングシステムを用いたICG蛍光法による大腸マーキングの検討

[演者] 牛込 創:1
[著者] 長嵜 寿矢:1, 秋吉 高志:1, 小西 毅:1, 藤本 佳也:1, 長山 聡:1, 福長 洋介:1, 上野 雅資:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

【はじめに】大腸癌手術における腫瘍のマーキング法として,点墨法が現在一般的である.
しかし,点墨部位が視認できない,拡散した点墨により至適剥離層が不明瞭となる,点墨による腹膜炎や膿瘍形成,癒着性イレウスの報告がある等々,確実性・安全性について未だ様々な問題点が残されている.近年,indocyanine green (以下ICG)蛍光法を用いた術中ナビゲーションに関する報告が多くなされている.当院で行った,ICGによる病変部マーキングと腹腔鏡手術時の近赤外線蛍光腹腔鏡イメージングシステムを用いたICG蛍光法によるマーキング部位の視認性に関する検討について報告する.
【対象/方法】
術前にインフォームドコンセントを得た腹腔鏡下大腸癌手術症例の24例を対象とした.全症例に点墨と0.25% ICGを用いて術前にマーキングを行った.腹腔鏡手術時に,通常白色光と近赤外線蛍光イメージングシステムでマーキング部をそれぞれ確認した.またマーキング部の病理組織学侵襲度についても点墨法と比的検討を行った.
【結果】
症例の年齢の中央値は64.4歳.右側結腸が9例,左側結腸が7例,直腸が8例であった.全て腹腔鏡手術で完遂し開腹移行例はなかった.今回のマーキングによる周術期合併症は認めなかった.点墨によるマーキングは14症例(58%)で認識出来たが,10症例で術中同定不能であった.6例は点墨が腸管から腹腔内に広がっていた.ICGはイメージングシステムで全例同定可能であった.病理組織学的評価では,点墨部は点墨が腸管壁を貫き周囲の炎症を伴っていたが,ICG部は粘膜下層にわずかな膨隆を認めるのみで周囲の炎症性変化は殆ど認めなかった.
【考察】
ICGを用いた病変部マーキングと近赤外線蛍光イメージシステムは,腹腔鏡下大腸癌手術時の病変部視認方法として非常に有用であり,病理学的にも点墨法と比較して組織障害が軽度であった.
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