演題

O3-152-14-2

ICG蛍光法によるnavigation腹腔鏡下大腸手術

[演者] 錦織 直人:1,2
[著者] 小山 文一:1,3, 植田 剛:1, 井上 隆:1,3, 尾原 伸作:1, 中本 貴透:1, 佐々木 義之:1, 中村 保幸:1, 庄 雅之:1
1:奈良県立医科大学附属病院 消化器・小児外科・乳腺外科, 2:一路会錦織病院, 3:奈良県立医科大学医学部 中央内視鏡・超音波部

【はじめに】我々は腹腔鏡下大腸癌手術においてICG蛍光法(以下Lap-IGFI)を用いたリアルタイムなリンパ流可視化によるnavigation surgeryを導入してきた.近年右側結腸癌や直腸癌側方リンパ節領域におけるリンパ流が再び注目されている.Lap-IGFIがもたらすリンパ節郭清手技の向上と郭清範囲決定の有用性について検討した.【方法】鏡視下赤外光により励起されるリンパ流とリンパ節を同定し,剥離操作時やリンパ節郭清時のnavigationとして用いた.また郭清リンパ節における励起頻度と転移頻度の検討を行った.【結果】腫瘍周囲の腸管傍~中間~主リンパ節へのリンパ流が明瞭に同定された.症例毎に異なる中枢側方向また腸管軸方向へのリンパ流の拡がりをリアルタイムに観察可能なことで,腸間膜の切離ラインの決定や剥離層の選択,支配動脈処理時の切離ライン決定に有用であった.特にPINPOINT System (NOVADAQ)による手術ではwhite light下でも励起リンパ流が視認可能で術者への負担も軽減した.これまで54例に施行し85%以上の症例でリンパ流が同定できた.郭清リンパ節の検討では励起しているICG bright nodeの転移率は10%,ICG negative nodeの転移率は5%であった.特に腫瘍より口側肛門側ともに5cm以上離れたICG negative nodeの転移は皆無であった.前述の術中リンパ流観察において,大部分の症例では腫瘍からのリンパ流は中枢側へ直線的であり腸管軸方向への拡がりは少なく,腸管切除長短縮化に寄与する可能性も示唆された.【まとめ】Lap-IGFIは詳細なリンパ流の可視化が非侵襲的に可能で,拡大視効果と合わさり鏡視下手術におけるnavigation surgeryとして有用であった.また今後症例を積むことで鏡視下大腸癌手術においてリンパ節郭清範囲や腸管切除範囲の短縮化/個別化に繋がると考えられた.実際の鏡視下手術におけるビデオを供覧し,その有用性について提示する.
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