演題

O2-92-14-6

新規光学技術導入による肝胆膵手術ー術中診断向上を目指してー

[演者] 青木 武士:1
[著者] 村上 雅彦:1, 古泉 友丈:1, 藤森 聰:1, 松田 和広:1, 山田 宏輔:1, 和田 友祐:1, 五藤 哲:1, 渡辺 誠:1, 大塚 耕司:1
1:昭和大学医学部 消化器・一般外科学

【目的】 近年医工学技術の著しい向上により,光学技術は医療分野にも応用され診断・治療機器として展開されている.一方治療技術も高度侵襲外科手術から低侵襲外科手術へと進化し,高精度な微細手術や術中診断が新たな手術支援システムと術者の技量がシンクロすることにより可能になってきた.教室ではICG蛍光法を肝胆膵手術に導入し,さらに術中診断能を向上する目的でNBI(Narrow band imaging)による肝表面血管の評価を行い,また新規光学技術として共焦点レーザー顕微内視鏡(CLE)を導入し,術中補助診断としての可能性を検討したので報告する.
【方法】 1) ICG 蛍光法:術前3-7日前にICG testを施行後,新規病変の拾い上げ,腫瘍位置の確認のため,全例で術中ICG蛍光重畳画像観察を行なった.肝区域同定は責任脈管を同定・切離後,ICG 1ml (5mg/dl)を静脈投与し,切離予定区域を非蛍光領域として観察した.サージカルマージン(SM)の確保のため緑色として標識される蛍光重畳画像をリアルタイムに離断面を観察.また腫瘍の割面とSMとの関係をex vivoで評価した.2) Narrow Band Imagin (NBI) :腫瘍周囲の肝表面血管微細構造及び血管構築像を観察.3) CLE : 本学医学部倫理医委員会承認の下摘出標本をCLE(Cellvizio, France)を用いfluoresceinを散布後対象臓器(肝,胆のう,胆管,膵管)の腫瘍及び正常粘膜細胞配列形態像を観察し病理組織と比較検討した.
【成績】 1) ICG蛍光は腫瘍のオリエンテーション(28/30例,93%)や微小病変の拾い上げに有用(3結節/35結節).またICG蛍光はリアルタイム に緑色シグナルとして認識され,区域診断の視覚的サポートにも有用であった.肝離断の際には蛍光シグナルが腫瘍側に見える場合には腫瘍に近接ないしは露出の危険があり,安全なSMを確保するには残肝側に少なくとも蛍光シグナルが見えないことが重要.27症例29結節全例でSMは陰性.2) 肝腫瘍性病変(n=16)の腫瘍周囲表在血管は85%に血管走行異常を認めた(dilatation type: 85.7%, tortuousness type: 28.5%, heterogeneity type: 28.5%, avascular type: 7.1%).3)悪性細胞はCLEによりreal timeな腫瘍細胞の確認が可能であり,これらの細胞は正常細胞に比して明らかに異形細胞で,大小不同を呈した.
【結論】画期的な光技術(ICG,NBI, CLE)の積極的な導入により,肝胆膵手術の術中診断能向上に寄与し,安全かつ確実な手術に貢献できる可能性が示唆された.
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