演題

O2-92-14-4

ICG蛍光法にprojection mappingを応用した医療機器MIPSによる肝移植における右葉グラフト灌流域の可視化

[演者] 西野 裕人:1
[著者] 瀬尾 智:1, 新田 隆士:2, 田浦 康二朗:1, 安近 健太郎:1, 岡島 英明:1, 海道 利実:1, 波多野 悦朗:3, 上本 伸二:1
1:京都大学大学院 肝胆膵・移植外科学, 2:三菱京都病院 消化器病センター・消化器外科, 3:兵庫医科大学医学部 肝・胆・膵外科

【背景】右葉グラフトを用いた肝移植において,右肝静脈以外の静脈枝での灌流領域の鬱血によるoutflow blockはグラフト機能障害の原因となるため,V5/V8や下右肝静脈の再建が考慮される.当科では術前CTから構成された3Dシミュレーション画像による静脈枝ごとの予測鬱血肝容量をもとに再建の要否を決定するが,実際の鬱血量は測定できないため精度評価は困難である.
近年ICGを用いた蛍光イメージング技術による肝移植グラフト灌流域評価の報告がある.当科では,従来のICG法を応用してprojection mappingの技術で撮像した画像を患者の臓器に直接投影する機器Medical Imaging Projection System(MIPS)を開発し,臨床応用を行っている.今回,MIPSを用いて術中にグラフト灌流域評価を行った.
【対象と方法】2016年2月から11月までに施行した右葉グラフトを用いた生体肝移植症例3例を対象とした.グラフト採取後バックテーブルにてICG(2.5mg/L)を混入した灌流液で灌流しMIPSを用いて可視化を行った.まずV5・V8・下右肝静脈をクランプした状態(Fig.1),つづいて順次クランプを解除した状態(Fig.2)で灌流し投影画像を記録,3Dシミュレーション画像(Fig.3)よる静脈枝灌流域ごとの図と比較した.
【結果】1例で術前シミュレーションと灌流域がほぼ一致(図),2例で一致しなかった.2例のうち1例は肝静脈枝を全て開放しても灌流不良域が認められ,もう1例ではV5をクランプした状態でもほぼ全肝にICGが灌流していた.
【結論】MIPSは生体肝移植や脳死ドナー肝移植のsplit liver graftにおける肝静脈再建の要否を判断するのに有用な可能性が示唆された.

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