演題

O2-92-14-2

漿膜下層浸潤胆嚢癌の予測因子としての,腫瘍径,SUV-maxおよびCA19-9の検討

[演者] 坂元 克考:1
[著者] 高井 昭洋:1, 上野 義智:1, 田村 圭:1, 水本 哲也:1, 井上 仁:1, 中村 太郎:1, 小川 晃平:1, 藤山 泰二:1, 高田 泰次:1
1:愛媛大学医学部 病態制御部門外科学講座(肝胆膵・移植外科学分野)

はじめに:胆嚢癌は手術のみが根治治療であるが,その進行度によって術式は様々である.特にリンパ節転移を来たしうる漿膜下層(SS)浸潤の有無を判定することはリンパ節郭清の必要性を検討する上で重要である.SS以深浸潤胆嚢癌を予測する因子に関して検討した.
対象と方法:2009年9月から2016年9月までの期間で,術前に胆嚢癌を疑い,切除術を施行した48症例を対象とした. 予測因子として,各種検査の中で客観的評価が容易な,腫瘍径,FDG-PETによるSUV-max値,CA19-9値に関して後ろ向きに検討した.
結果:平均年齢は69歳であった.術後に病理学的に胆嚢癌と診断された症例は48例中32例(66.7%)であった.内訳は,m癌が6例(19%),mp癌が3例(9%),SS以深癌が23例(72%)であった.リンパ節転移症例は12例(26%)あり,全てSS以深浸潤癌であった.各種検査の中で客観的評価が容易な,腫瘍径,FDG-PETによるSUV-max値,CA19-9値に関して検討した.いずれもSS以深浸潤と相関があった(腫瘍径: r(相関係数)=0.704,p < 0.0001,SUV-max: r=0.511,p = 0.005,CA19-9値: r=0.406,p = 0.005).腫瘍径,SUV-maxおよびCA19-9値に関してROC曲線を用いて検討したところ,それぞれAUC: 0.906,p < 0.0001,AUC: 0.799,p = 0.007,AUC: 0.734,p = 0.006であった.ROC曲線から得た腫瘍径 ≥ 15mm,SUV-max ≥ 4.3,CA19-9 > 37 U/mlを陽性所見として点数化(0-3点)した.得られた点数を用いて作成したROC曲線からはAUC: 0.894,p < 0.0001,95%信頼区間: 0.797-0.990という結果が得られ,点数2点以上をSS以深浸潤癌と診断する感度は87%,特異度は84%,陽性的中率は83%であった.
結語:腫瘍径,FDG-PET検査,CA19-9値によってSS以深浸潤を高い確率で予測することができ,術式選択に寄与する可能性がある.
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